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家内が貫かれた話

昨年末のことなんですが、家内の自動車が故障し
思い切って新車に買い替えることにしました。
家内は独身の頃からずっと利用していた自動車屋があったのですが、
昨年に廃業してしまったらしく、結局私が以前から懇意にしていた
ディーラーで購入することにしました。

年明けに店長に電話すると、すぐに営業担当がバンフレットを
持って自宅まで来てくれました。
店で何度か顔を見たことのある健太君という若い子でした。

健太君は数台の軽自動車の特長などを丁寧に私と家内にしてくれました。
家内は44歳で、もともと車に興味があるわけでもなく、
どれでもいいと言っていたのですが、
健太君の提案でせっかく新車を買うのだから試乗してから決めようということになり、
翌日パートが休みだった家内は早速試乗させてもらいました。


家内は2台試乗させてもらい、そのうちの1台に決めたようでした。
自慢ではないのですが、1000万ぐらいは
いつでもキャッシュで払える余裕はありましたので、
どれを選ぶかは家内に一任していたのです。

私は夕食の時に家内から購入の契約をしたことを聞きました。

「契約しちゃったけどいいでしょ?150万と少しかな」

「お前がそれでいいならいいじゃないか。新車なんだから大事にしろよ」

何気無い日常会話でしたが、その後家内が以外なことを言いました。

「あの営業の健太君っていう子、おもしろい子ね。
一緒に試乗してもらったけど、おもしろいことばかり言うから笑っちゃうのよ」

「へーっ、そうなのか、意外だな。
俺は面識はあったけど、挨拶ぐらいしかしなかったからな」

「やっぱり営業だから口がうまいのよね。
携帯番号とメールアドレス教えてあげたの。
またメールで爆笑を誘いますよ…なんて言うから」

私は家内からそんな話を聞いても、嫉妬とかまったく感じませんでした。
家内とは結婚して15年たち、中1になる息子がいます。
子供が産まれるまではセックスもそれなりによかったのですが、
子供ができてからは寝室も別になり、
子供が大きくなった今は家族3人が別々の寝室となってしまいました。
寝室が別になるとセックスの回数もめっきり減ってしまいます。
仲は決して悪くないのですが、家内とはいつのまにかセックスレスになっていました。
ですので、家内が若い男性とメールアドレスを交換したからと聞いても
何とも思わなかったのです。

その後家内は健太君と時々メールのやりとりをしていたようでしたが、
健太君を男として意識するような感じもなく、
メールの内容も私に話すほどでした。

家内から聞いた話ですが、健太君は32歳で独身、
マンションで一人暮らしをしているとのことでした。

両親が数年前に離婚し、お父さんは健太君より年下の女性と再婚されたらしいのですが、
一緒に暮らす気にもなれず独立したらしいです。
実のお母さんとは音信不通で、なかなか複雑な家庭環境で育ったようでした。
健太君はそんなことを感じさせない明るい好青年でしたが、
私自身特に興味があるわけでもなかったので、家内の話も適当に聞き流していました。

そんなある日、今年の1月の末ぐらいでしたが健太君と話をする機会がありました。
オイル交換のため健太君の店の隣に併設している工場に車を持って行った時のことです。
少し時間があったので、店舗の中でパンフレットを眺めていた時、
健太君が話かけてきました。

「上坂さん いつもお世話になります。ご無沙汰してます」

健太君はいつもの通り明るくハキハキとしていました。

「やぁ、どう その後は 車は売れてるかい?」

「ええ、おかげさまで。今月の月間目標も軽くクリアです。
その節は奥さんにも大変お世話になりました。
新しいお車の調子はいかがですか?」

「う~ん、何も聞いてないからいいんじゃないかな」

「そうですか、もし何かありましたら、何なりとお申し付けくださいね」

私はメールのことを思い出して、
ちょっと健太君をからかってやろうと思いました。

「ああ、何かあれば家内が直接連絡するさ。
メールの交換もしているんだろ?」

健太君は一瞬しまったという表情になり、深々と頭を下げました。

「申し訳ございません。上坂さんに何も言わずに
勝手に奥さんと連絡取り合ったりして、
失礼なことをしました。本当に申し訳ございません」

あまりに健太君が大袈裟に謝罪するので、逆に可笑しくなってしまいました。

「はははっ…俺は怒ってるんじゃないよ(笑) 
いいじゃないか 若い男とメールができて家内も喜んでいるさ」

「そうだといいんですが、でも上坂さんのご機嫌を損ねたとなると…」

「大丈夫 大丈夫 そんなに気にするなら
家内を一度デートにでも誘ってやれよ」

健太君が申し訳なさそうにしているので、
私は慰めるつもりで言いました。
私の言葉を聞いて健太君も明るい表情が戻っていきました。

「ありがとうございます。
奥さんとメールしていると本当に楽しいんですよ。
僕の話もいろいろ聞いてもらったりして」

健太君の家庭事情を思い出しました。
家内は健太君の悩みをいろいろ聞いてやっているのかもしれません。

「まあ、あんなおばさんでよけければ相手にしてやってくれよ」

「いやー、うれしいです」

「但し…だけど」

「えっ、何でしょうか?」

私はある考えがひらめきました。

「俺には絶対報告することだ。いいかい、できるかな?」

「わかりました。じゃあ、早速これから奥さんとのメールのやりとりは
全部上坂さんに転送します」

「よしっ、決まりだな。家内には内緒だぞ」

「ええ、了解です。男同士の固い約束ですね」

それから、健太君は家内とのメールをすべて私に転送するようになったのです。

健太君からは3日に1度ぐらいの間隔でメールが転送されてきました。
ほとんどジーンズしか履かないあの地味な家内が、
若い男性とどんなメールのやりとりをしているのか、
最初はすごく興味があり、
健太君からきた転送メールをドキドキしながら見たものです。

しかし、期待外れというか、中身はまったく他愛もないものでした。
゛今日はまた新車売りましたよ゛゛ヤッタネ!!おめでとう゛とか、
゛今日のニュース見た?ひどいよね~、シンジラレナイ~゛
みたいな感じでどうでもいいようなものがほとんどでした。
家内はさすがに主婦らしく、
若くて一人住まいの健太君の食事を気にしているようでした。
゛健太君 今日はなに食べたの?゛
゛え~と 朝はコーヒーだけ 昼はラーメン 夜はビールとコンビニ弁当かなー゛
゛何よそれ 野菜が不足しているわね だめよ そんなの゛
みたいな感じで健太君の食事の内容を聞いている日が多くありました。

そんなメールが続いていた矢先、健太君が
゛じゃあ、仁美さんの手料理ご馳走になっちゃうかな゛
というメールを送りました。すると家内は
゛そうね~、とても見ちゃいられないわ、自炊しなさいよ 教えてあげるから゛
と返事をしていたのです。
そのメールが転送されてきてからすぐに健太君から電話がありました。

「すみません、上坂さん。メールはご覧になりましたか?」

「ああ、見たよ。健太君 とうとう自炊するのか?」

「いえいえ、そんなのできないですよ。
自炊するようなやる気を見せて、
仁美さんの手料理をご馳走になっちゃおうかなと思って」

健太君はいつのまにか、家内のことを仁美さんと呼ぶようになっていました。

「本当にしなかったら家内のやつ怒るぞ。
あいつが怒ったら結構手強いからなぁ(笑)」

「エーッ、マジっすか。やばいかなー。それでですね、
仁美さんを僕のマンションにお招きしていいか、
上坂さんにお伺いしたかったんです」

健太君は家内を自分のマンションに呼んで、
手料理をご馳走してもらおうと思ったようでした。

「そうだな、家内がどう言うかな?
年は離れてても、男性一人住まいの部屋に行くわけだからな」

「ええ、もちろん仁美さんに断られればやめますし、
もし実現しても仁美さんには指一本触れませんから」

私は健太君と話しながら何となく胸騒ぎを覚えました。
44歳と32歳で年が離れているとはいえ、所詮は男と女です。

マンションの密室で二人きりになれば何かあるかもしれません。
まさか、自分の家内に限って、セックスレスで
そういうことにまったく興味を示さない地味な家内に限ってとは思いましたが、
やはり若干の抵抗もありました。

ただ、万が一健太君とそういう関係になれば、

その現場をどうしても見たいという気持ちも強くあったのです。
これが寝取られ願望というのでしょうか。

そこで私は健太君にまた条件を出しました。

「健太君、ビデオカメラ持っているか?」

「ええ、ありますよ。ハンディタイプのですよね」

「そう、家内にわからないように盗撮できるか?
君と家内が部屋でいっしょにいるところを見たいんだ。
それができるなら俺は了承するよ」

「ビデオ報告ってことですね。了解しました。
必ずしますよ。結構散らかってますから、
カメラは見えないようにセットできると思います。
後は仁美さん次第ということですね。今からでもメールしてみます」

健太君の声は弾んでいるようでした。
妻は果たして何と返事するのか、行って欲しいような
そうでないような複雑な気持ちでしたが、
行って欲しい気持ちの方が勝っていました。

そして話はトントンと進み、
翌々日に家内が健太君のマンションに行くことになりました。

家内が健太君のマンションに一人で行く、
私は今まで感じたことのない複雑な心境でした。
健太君は家内に指一本触れないと言いました。
しかし、そうは言っても果たしてそれで終わるのか、
アルコールが入ればまた状況が変わるのでないか、
指一本触れないと言ったところで何かの拍子に身体が触れ合ったら、
そのまま深い関係に陥るのではないか…私は心の中であれこれと考えていました。
しかし、私の心配をよそに家内はあっけなく健太君のことを話してくれました。

「明後日ね、健太君のお家に行って
一緒に食事を作ってあげようと思うの」

夕食を済ませて居間でテレビを見ながらくつろいでいた時に
家内が話しかけてきたのです。
私は一瞬ビクッとしましたが、何も知らない振りをして言いました。

「ほーぉ、食事をか?」

「うん、聞いてるとすごくひどいのよね。
コンビニ弁当とか簡単なものだけで済ませてるから。
今はまだ若いからいいけど、そのうちきっと身体壊しちゃうからね。
自分で何か出来るようにしてあげないと」

「そうだな、今の若い子の食生活はひどいだろうな。
まあ、いいことじゃないか」

適当に話を合わせておきましたが、
隠そうともせず私に言うぐらいですから家内自身変な意識は
まったくなかったと思います。

正直に話してくれてホッとした反面、少し残念な気持ちもありました。
そして当日の昼過ぎに健太君からメールが来ました。

゛上坂さん 今日は仁美さんにお世話になります。
今、夕方6時ぐらいに買い物してから行くからって電話をいただきました。
ビデオの方も昨晩確認して見えにくい位置にセットしましたし、
4時間は撮影できます。
僕もなんだかソワソワして落ち着かなくて、
3時ぐらいに早退して仁美さんをお待ちしようと思ってます。
お約束は必ず守りますよ。仁美さんが帰られた後にご連絡させていただきます゛

健太君のメールは気のせいか字が踊っているようにも思えました。
私もその日は仕事が手につかず、どこか上の空だったように思います。
やらなければいけない仕事もたくさんあったのですが、
5時には会社を出て6時前ぐらいには家に帰ってしまいました。

家内はもう健太君のマンションに行ったのか、
今頃何をしているのか、私はまったく落ち着きませんでした。
食卓には家内が用意してくれた夕食が置いてありましたが、
食事を食べる気にもなりません。
冷蔵庫からビールを出してきて、テレビを見ながらチビチビ飲んでいましたが、
どれだけ飲んだのか、テレビがどんな内容だったのかまったく覚えてないぐらいです。

今から思えば我ながら情けなかったと思いました。
こんなに落ち着かないぐらいなら、健太君の申し出を断ればよかったのです。
でもこんなに興奮して落ち着かない時間を過ごしたのは
生まれて初めてと言っても過言でなかったと思います。

時間の経過がものすごく遅く感じましたが、
9時を少しまわったところで携帯が鳴りました。
健太君です。
すぐにでて家内を待ち焦がれていたと思われたくなかったので、
着信音が5回鳴った後ぐらいに出ました。

「あっ、上坂さん お待たせしました。仁美さん 今帰られたところなんです」

相変わらずの明るい健太君の声でした。

「そうか、どうだ?少しは料理できるようになったか?」

私は他に聞きたいことがあったにもかかわらず、
どうでもいいことを先に聞いてしまいました。

「えへへっ、すみません。
結局仁美さんの手料理をご馳走になっちゃいました」

「へーっ、まあ、いいじゃないか。
俺だって料理なんか全然だめだからな」

「そうですよね、ところでビデオもバッチリ撮れてますけどどうしましょう?
DVDにでもダビングしてお渡ししましょうか?」

「うん、その方が都合がいいな。
健太君の悪党振りを拝見させてもらうよ」

「いやー、上坂さん ビックリしないでくださいよ。
じゃあ、明日の午後にでも外回りの合間に会社の方へお届けします」

ビックリしないでくださいか…
多分冗談でしょうけど何となく気になる健太君の言葉でした。

家内がその日帰宅したのは10時を過ぎていました。
健太君のマンションからだとそれぐらいでしょう。
寄り道せず真っ直ぐに帰ってきたと思います。

「ただいま~、ごめん 遅くなって」

居間に入ってくると、いつも持っている手提げ鞄を下ろしながら
家内が言いました。すぐにコートを脱ぎ始めたので、
無関心を装いつつもさり気なく家内の服装を見ました。
独身男性の部屋に一人で行くなら、
少しはきれいな格好をして行ったのかと思いましたが、
何度か見たことのあるセーターにジーンズでした。

「ああ、お帰り。結構遅かったなあ」

「そうなのよ、調味料もなにもなくてね、
普段からどんな生活しているかすぐにわかるわね。
一緒に作るとすごく時間かかっちゃったのよ」

「そうか、それで少しは健太君も自炊する気になったのかい?」

私は自炊する気がまったくないような健太君の言葉を思い出しながら聞きました。

「どうかな、でもこれから少しはするんじゃないかしら。
私に頼られても困るしね」


家内と話をしながら、私はつい顔の表情や身体の変化がないか観察してしまいました。
顔がいつもよりほんのりと赤いような気がしました。
どうもアンコールを飲んでいるように思えました。
ただ、あまり根掘り葉掘り聞くのはやめました。
家内が隠し事をしているかどうかは、
明日健太君が渡してくれるDVDを見ればわかることです。

「あなた、先にお風呂に入って。私 後片付けがあるから」

「そうだな、先に休ませもらうよ」

私は風呂に入った後、自分の寝室に入りましたが、健太君からメールが来ていました。

゛さっき仁美さんからメールが来ましたので転送します。
………………
たった今無事に家に帰りましたよ。
今日はどうもありがとう。すごく楽しかったです。
でも、今度は少しぐらい自分で作ってね。
早く食事を作ってくれる彼女ができるといいね。じゃあ good night ! ゛

どうやら、私が風呂に入っている間に送ったのでしょう。
ただメールを読んでみると、さっき家内から聞いた話と
微妙に違うことがわかりました。
一緒に作ったからすごく時間がかかって遅くなったようなことを言っていたのに、
メールの様子では家内が全部作ったような感じです。
確か健太君も電話で結局ご馳走になってしまったみたいなことを言ってました。
DVDがすべてを語ってくれるのでしょうか、
私は明日が待ちきれませんでした。

その翌日、私は朝からDVDのことばかり気になっていましたが、
会社に出勤すると電話や来客に忙殺され、
いつのまにか忘れてしまっていました。
昼前ぐらいになり、ようやく落ち着いて自席でほっとしていた時、
目の前の電話が鳴りました。一階受付の女子職員からの内線電話でした。

「今、一階ロビーに神崎様という方がお見えですが?」

私は一瞬誰かわかりませんでした。 神崎?? もしかして 健太君か…

「わかった、すぐ行くからしばらく待ってもらってくれ」

私は慌てて席を立つとエレベーターに乗り、
健太君の待つ一階へ急ぎました。
一階のロビーに行くと、健太君はソファに座っていましたが、
私の顔を見るなり立ちあがりました。

「すみません、お仕事中にお呼びたてしまして」

「いやいや、どうしたんだい?」

「はい、ご依頼の物をお持ちしました。
少しでも早いほうがいいと思いまして立ち寄らせていただきました」

私は手を差し出してソファに座るよう促しました。
健太君は会社での私の立場に配慮して、
笑みを浮かべながらも口調はビジネス的で、
いかにも取引先という雰囲気を出していました。
若いのになかなかやるな、私は感心しました。
健太君は鞄の中から自分の会社のネーム入りの封筒を差し出しました。
私は封筒を受け取って中身を確認しました。
中にはケースに入ったDVDが一枚ありました。

「ありがとう、早速後で確認しておくよ」

「どうかよろしくお願いします」

健太君は深く頭を下げた後、顔を上げながら小声で言いました。

「ノーカットでダビングしてます。
感想をお聞かせいただいていいですか?今晩にでも」

「そうだな、また連絡するよ」

健太君は爽やかで誠実そうな笑みを浮かべながら
会社を出ていきました。いい子だな、私は改めて思いました。
多分異性にもモテるんだろうけど、
あんな子がどういうつもりでうちの家内に好意を寄せているんだろうか、
そんなことを思いながら席に戻りました。
しかし、どうも仕事をする気になれません。
今から帰れば、家内も子供も家にいませんから
DVDをゆっくり見ることが出来ます。
私は、上司に急用ができたからと言い、
午後から半休をとり帰宅しました。

家に帰ると着替えをすることも忘れ、
居間でDVDを再生させました。いつになく緊張し、
心臓がドクドクと動いているのがわかりました。
映像に畳の部屋が出てきました。
その部屋の隅にビデオをセットしたのか、
和室の部屋とその奥にあるダイニングまでが映っていました。
健太君の後姿が見え、ダイニングの端にある入り口のドアを開けると
コートを着た家内が入ってきました。

「おじゃましま~す」

ボリュームをかなり上げないと聞こえにくいぐらいでしたが、
何とか聞き取れました。

「どうぞ、散らかってますけど」

「うわーぁ、ほんとに散らかってるわね。
いかにも若い男の部屋って感じ」

家内はコートを脱ぎながら言いました。
コートの下は昨日見た服装とまったく同じでした。

「さぁーてと…」

家内は買ってきた食材を出すとキッチンに向かいました。

「あれーーぇ、健太君 調味料は?お米もないけど…」

「いやー、そういゃあ ないですね。使わないし、腐っちゃうから」

「もーっ しょうがないわね」

家内はタイニングの椅子に腰掛けて、
紙に何かを書いて健太君に渡しました。

「ねえ、これ買ってきてくれる?」

「はーい、わかりました」

健太君は出かけていき、家内はキッチンに立って準備を始めました。
家内がキッチンに立つとカメラからは死角になって見えなくなりました。
心臓が高鳴っていた私も落ち着いてきて、画像を早送りしながら見ました。
しばらくして健太君が買い物から戻りましたが、
家内が食事の用意をする後ろでうろうろしたりする映像ばかりが続きましたので、
どんどん早送りさせました。
映像を見ながら自分がよからぬ期待をしているのを自覚しましたが、
まったくそんな雰囲気はありません。

やがて食事が出来あがり、
畳の部屋で向かい合わせで食べている映像が映りましたが、
食欲旺盛でバクバク食べている健太君の姿が印象的なぐらいでした。
やっぱりなにもなかったんだろうな、
ホッとしたようなガッカリしたような気持ちでした。

やがて、食事も終わって二人でテレビを見ていた時に、
健太君がサイドボードを指差しながら言いました。

「そこにお客さんにもらったワインがあるんですよ。
仁美さん よかったら飲みませんか?」

「へーっ、高級そうなワインね。
私 お酒あまり飲めないけどワインならいただいちゃおうかな」

ワインを傾ける二人の姿がしばらく続きました。

ワインをゆっくり飲みながら、二人が談笑する映像がしばらく続きました。

「あーっ、おいしい。すごく飲みやすいね。後がちょっとこわいけど」

「そうですよね。ワインは結構後から酔いがまわりますよ。
でもまあ、最後の一杯ということで」

健太君は家内のグラスにワインを注ごうとしました。

「えーっ、私を酔わそうとしているでしょ(笑)」

「まさか、とんでもないですよ!」

健太君は真顔で否定しました。

「あはは…それよりさ、健太君聞いてもいい?」

「ええ、何ですか?」

「健太君、彼女いるの?」

「う~ん、いないですよ。いない歴がもう2年かな」

「ホント?そんなふうに見えないわ。ねぇ、モテるんでしょ」

家内は少し酔っているのか、
ややテンションが高い感じで健太君を質問攻めにしていました。

「全然モテないですよ。僕、これでも奥手なんですよ」

「ふ~ん、でも好きな人とかいるでしょ?」

「ええ…いますよ。内に秘めてますけど」

健太君は視線をそらしながら言いました。

「なんだーっ、いるんじゃない。
じゃあ、さっさと告白しちゃいなさいよ。
誰なの?会社の女の子かな。
言えないなら私が言ってあげようか?」

すっかり家内に主導権を握られてしまったような健太君は、
やや言いにくそうに言いました。

「いえ、なんて言うか…
その人、結婚してるんです。だから…」

「へーっ、そうなんだ。叶わぬ恋ってやつね。
その人、お客さん?」

健太君は家内を見つめながら言いました。

「そうです、今僕の目の前にいます」


健太君の言葉に家内は凍りついたように動かなくなりました。
しかし、それはまったくの一瞬のことで、
やや気まずい雰囲気をかき消すように言いました。

「あはっ(笑) どうもありがとう。
うれしいわ、そんなこと言ってくれて。
今日食事を作ってあげたご褒美かな」

「あっ、いや、あの…仁美さん」

健太君は何か言おうとしましたが、
家内はそれ以上聞いてはいけないと思ったのか立ち上がりました。

「もうこんな時間だわ。健太君、私帰るね」

家内はコートを着ると、出口へ向かって歩き始めました。
健太君が『告白』をしてから一気に流れが変わったような感じです。
健太君は慌てて家内の後ろに歩み寄って言いました。

「仁美さん、あのぅ…また、来ていただけますよね?」

出ていこうとした家内は振り向いて、
笑みを浮かべながら言いました。

「そうね~、じゃあ次は健太君の手料理をご馳走になりに来るわね、じゃあね」

家内は手を振りながら出ていきました。
しばらくじっとしたままの健太君の後姿が映っていましたが、
DVDはそこで終わったのです。

心の中で良からぬ期待をして、
ドキドキしながら見ていた私にとっては
いささか拍子抜けの内容でしたが、
何となく爽やかなドラマのような感じでした。

私は感想を聞きたがっていた健太君に連絡を取りました。

「あっ、健太君、今いいかな?DVD早速見せてもらったよ」

健太君はあまりに早く私が電話をしてきたことにびっくりした様子でした。

「えっ!もうご覧になられたんですか。それで、いかがでした?」

「いやいや、健太君の言ってたように本当にびっくりしたよ。
一昔前にあった青春ドラマみたいだったよ(笑)」

「すみません、びっくりしますよなんて言ってしまって、
お恥ずかしいです。最後の言葉はちょっと余計でしたね」

健太君はやや申し訳なさそうに言いました。

「いや、いいじゃないか。
一回りも年下の男に好きだと言われて怒る女なんていないさ。
それにまた行くようなことを言ってたし、
家内も満更じゃないみたいだな。
それにしても、健太君は律儀だなあ」

「えっ、どうしてですか?」

「だって本当に指一本家内に触れなかったからなあ」

「ええ、でもそれは約束でしたから当然ですよ。
まして、上坂さんの奥さんですから…」

「本当は触れてみたかったんだろ?」

私はやや意地悪な質問をしました。
健太君の本音を聞いてみたかったのです。
健太君はしばらく黙っていましたが、ゆっくりと言葉を選ぶように言いました。

「それは、僕も男ですから。失礼を承知で申し上げますと…
仁美さんを抱きしめたかったです、すみません」

「謝ることはないよ。そんなに家内のことを思っているなら、
次は健太君の思いのままに接してみろよ」

自分でも信じられないような言葉がつい出てしまいました。
今まで48年の人生で思いもよらなかった寝取られ願望のようなものが、
私の中でフツフツと沸いていたのです。

「えっ…でも、それは いくらなんでも」

「但し、早まるなよ。あくまで家内の意思を尊重すること、
無理強いはだめだ。それとビデオ報告は必ずすること」

私は一応くぎを刺しておきました。
健太君はしばらく迷っている感じでした。

「ありがどうございます。上坂さんのご好意に感謝します。
でも、どうしてなんですか?
上坂さんにとって大事な奥さんが、
もし私と…なんて言うか、男と女の関係になってしまったら」

「う~ん、うまく言えないけどなあ。
家内は結婚してから俺以外の男性とは
付き合っていないはずだから、
本当に迫られたらどうするのか見たいし、
寝取られ願望みたいなのも正直あるし…
こんなことは誰にも言えることでないからね。
ただ、健太君が律儀で誠実な男であることはよくわかったから、
家内に乱暴したり無茶なことはしないだろうと思ってるよ」

「そうですか、わかりました。
今はまだ心の整理ができませんので
何とも言えないですが、また仁美さんをお招きしたいと思います」

果たして健太君はどうするか、しばらく私は静観していたのですが、
家内とのメール交換はその後も続き、
3月の中旬頃でしたが再度家内が健太君のマンションに行く日が訪れました。



「今晩また健太君のマンションに行ってくるね。
今日は健太君がご馳走してくれるって言うから」

当日の朝の出勤前に、家内はさらっと切り出してきました。
今晩誘っていることは健太君から事前に聞いていたのですが、
私はやや大袈裟に返事しました。

「本当かよ?あいつが料理をするのかい」

「ちょっとあやしいけどね。
今日は僕が作りますから試食してくださいって言うから、
それ試食じゃなくて毒味じゃないのって言っちゃった」

「ははっ(笑)お前もきついなあ。
まあ、食生活には十分気をつけてやれよ。
料理が出来なくても、牛乳とか納豆とか
身体に最低限必要なものを毎日摂る習慣をつけてやったほうがいいな」

「そうよね、夕食は用意しておくからお願いね」

家内と健太君はあの『告白』の日からも
メール交換は続けていたのですが、
健太君から転送されてきたメールを見る限りでは、
お互い核心に触れることを避けているような内容ばかりでした。
当たり障りのないような話ばかりで、
やっぱり健太君はこれ以上のことをする勇気はないのかなと
思っていたのですが、料理に挑戦するからということで
家内を誘ったようでした。

二度目の訪問、そして健太君の『告白』後初めて二人きりとなる日です。
しかも、無理矢理でなかったら何をしてもいいと了解したも同然ですから、
私は仕事中も落ち着きませんでした。
今日も早めに仕事を切り上げて家で家内の帰りを待とうと思い、
落ち着かないながらも仕事のピッチをいつになく上げて帰ろうとしたのですが、
夕方に取引先から思わぬクレームが入りました。
ミスをした部下と一緒に取引先を訪問し、
ようやく解放された時は夜の11時を過ぎていました。

取引先を訪問中は携帯を留守電にしていたのですが、そ
の間に健太君から着信歴が2回とメールが1回、
家内から着信歴が1回ありました。
私は取りあえず家内に連絡をとりました。

「すまない、急にクレーム処理が入って今やっと終わったところだ。
部下と一緒だから軽く食事をして帰るよ」

「そうだったの、お疲れさま。
私も1時間ぐらい前に帰ったんだけど、
弘毅がお父さんから連絡もないしまだ帰ってないって言うから心配してたのよ」

「連絡が取りにくい雰囲気だったからな、先に寝ててくれればいいよ、じゃあ」

家内は電話の感じではいつもと変わらない様子でした。
今日は一体どうなったのか、私ははやる気持ちを押さえながら、
健太君のメールを開けました。メールを受信した時刻は9時半過ぎでした。

゛上坂さん、お仕事中でしたら申し訳ございません。
留守電でしたのでメールを送らせてもらいます。
9時過ぎに仁美さんはお帰りになりました。
またDVD報告をさせていただきますが、
もしよろしければ明日昼食をご一緒させていただけないでしょうか。
会社の近くまで行きますので。今日は1歩前進というところでしょうか?゛

意味深な健太君のメールでした。
1歩前進ということは、健太君の『告白』に対して
家内が何らかの返事をしたか、
健太君が『告白』以上のことをしたか、
いずれかということなのでしょうか。
私は健太君に明日の待ち合わせ場所をメールをして、
帰宅したのは日付が変わってからでした。



私は深夜に帰宅しましたが、家内は寝ないで待ってくれていました。

「おかえり、大変だったね」

「ああっ、散々だったよ。今の時代はいろいろうるさいよ。
以前なら電話で謝ったら済んでいるのになあ…
それはそうと、どうだった?健太君の料理は」

「えへっ、もう笑っちゃうわ。
あれでよく食事をご馳走しますなんて言えたものね。
結局ほとんど私が作っちゃったわ。
でも自分でやろうとするだけでもいいことよね」

「そうだな、まあ本人が自分で食事に気を使うようになることはいいことだよ」

「そうね、いつまでも若くないしね」

「さぁ、俺は風呂に入るから先に休んでくれよ」

食事のことなどは正直どうでもよかったのですが、
家内がそれ以上何も言いそうな感じでもなかったので私は風呂に入りました。

翌日の昼、健太君は約束の時間に待ち合わせ場所の喫茶店に来ました。
DVDを受け取り、昼食を共にしながら健太君に聞いてみました。

「1歩前進か?どんな前進なのか楽しみだな、
ゆっくり見せてもらうよ。家内は特に変わった様子はなかったけどな」

「そうですか、むしろ変わっておられない方がいいですね。
何事もなかったかのように自然の流れとして受けとめていただければ、
僕もうれしいです」

「そうか、自然の流れの中で1歩前進か。ますます楽しみだな」

私は健太君に余裕の表情を見せていたつもりでしたが、
心の中では早くDVDを見たくてたまらなかったのです。
その日は7時頃に帰宅しましたが、
DVDを見ることが出来た時は11時を過ぎていました。
家内が寝室に入ったのを確認し、
私はボリュームを落してドキドキしながら再生させました。

DVDに出てきた健太君の部屋は前と何も変わっておらず、
ビデオが隠されている位置もまったく同じのようでした。
二人でキッチンに立って食事を作っているのか、
家内と健太君の姿が見え隠れし、時々話し声も聞こえてきました。

「ああっ、だめよ。それは先に煮込まないと」

「ちがう、ちがう、いいわ それは私がするから」

どうやら健太君が何とか自分でしようとしているのを、
家内は見ていられないといった雰囲気です。

その後は前と同じような光景でした。
二人で食事をしながら談笑し、その後はまたもやワインを傾けていました。

「健太君もやればできるじゃない、私 見直したわ」

「そうですか、でも全然ですよね。
仁美さんがいないと悲惨な料理になって
とても食べられたものじゃないですよ」

「いいの、いいの、食事に気をつけようと思うだけでも全然違うから」

家内に褒められて健太君はすごくうれしそうな顔をして笑っていました。
まさか、これが1歩前進なのかな、
そうだとしたらとんだ筋違いな前進だな…
そんなことを思いながら、
前とほとんど変わりないDVDに私も飽きてきたところでしたが、
健太君が家内に言いました。

「仁美さん、肩がこるんですか?」

家内がワインを飲みながら時々肩のあたりを触っているのをみて
健太君が声をかけたのです。

「うん、私 結構若い頃から肩がこるタイプなのよね」

すると健太君はちょっと深呼吸して言いました。

「そうなんですか、もし…よかったら僕が揉んであげましょうか?」

「ほんとに?じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

すると健太君は家内の背後にまわり、
後ろから家内の肩に手をおいてゆっくりと揉み始めたのです。
健太君が初めて家内の身体に触れた瞬間でした。

これか……確かに前に比べれば1歩前進だ、

健太君の手はやや震えているようでしたが無理もないでしょう。
指一本触れることが出来なかったのに、
今は堂々と家内の肩に触れているのです。
健太君の手には服の上からとはいえ
家内のブラジャーの感触も伝わっているのか、
顔が真っ赤になっていました。

家内もやはり最初は意識したのか、
やや恥ずかしそうにしていましたが、
じわじわと心地よくなってきた感じです。
やや顔を赤らめながら、
下向き加減で目を閉じて健太君の肩揉みに身を任せていたのでした。
大きな手でゆっくりと肩を揉みほぐした後、
健太君は左手を家内の左肩において支えると、
右手で首の下から背骨へとゆっくりと指を立てて
指圧するように摩っていきました。
すると、下向き加減だった家内は身体を反りかえらせて顔を斜め上に向けると、
目を閉じたまま思わず喘ぐような声を張り上げたのです。

「ああっ、ああっ、気持ちいいっ、すごく いいっ…」

健太君の右手は、背骨を摩りながらだんだん下がっていき
腰骨のあたりまできました。
家内の身体はますます反り返り、
健太君の左手のみで支えられていました。

健太君の右手は家内の腰のあたりまでくると、
さらにゆっくりと円を描きながら骨盤を刺激するように動きました。

「ああっ、ああっ、ああっ」

健太君の右手の動きに合わせるように
家内は反り返って喘ぎ続けました。
健太君の顔は真っ赤で、額にはやや汗が滲んでいるように見えましたが、
何かにとりつかれたかのように家内の下半身を刺激し続けました。

右手はしばらく腰のあたりを集中的に刺激した後、
徐々に下がっていきお尻のすぐ上までくると、
再び上へ移動し始めました。
すると今まではセーターの上から身体を摩っていた手が
セーターの中に潜り込み、背中を這うように上がっていったのです。
家内のセーターは少しずつ捲くれあがり、
白いインナーが見え始めました。
健太君の右手に翻弄され無抵抗状態だった家内は、
セーターの中に手を入れられていることに気がつきました。

「いやっ、やめてぇぇ」

健太君は一瞬ビクッとして動きを止めましたが、
再び右手が背中を這い上がり始めました。
右手が背中の真中あたりに辿り着いた時、
家内が再び声を張り上げたのです。

「だめぇぇ、おねがいぃぃ」

家内に再び制止された健太君はようやく諦めたのか、
右手をセーターから抜き取りました。
身体を反り返らせていた家内は、
やや捲くれあがったセーターを元に戻し
肩で息をしながら黙って下を向きました。
すると健太君は抜き取った右手を家内の首筋に持っていき
再び揉みはじめました。
健太君が服の上からではなく、家内の肌に直接触れたのです。

「ああっっ」

首筋を揉まれ始めると、家内は再び声を上げて
健太君のなすがままになってしまいました。
そして首筋に沿って上下動を何度か繰り返した後、
右手が家内の耳たぶを掴んだ時です。

「ああっ、そこはぁぁ」

家内は叫びながら一瞬にして健太君の方へ崩れ落ちました。

「あっ、仁美さん…」

家内がほとんど無抵抗であったため、
自分の思いのままに家内の身体に触れていた健太君でしたが、
崩れ落ちた家内にビックリして慌てて抱き留めました。
家内は健太君に抱かれた状態で目を閉じて大きく息をしていました。
二人は今までになく身体を密着させ、しばらく動きませんでした。
健太君は目を閉じている家内を抱き留めたまま、
しばらく黙って見つめていましたが、
ややおどおどしながら声をかけました。

「仁美さん…大丈夫ですか?」

家内はようやく目を開けて、健太君を見上げながら言いました。

「ごめんなさいね、少し酔ったみたい。
すごく気持ちよかったから、フラッとしてしまったの」

「いえ、僕が悪かったんです。
仁美さんのセーターの中に手を入れてしまったり、
耳たぶにまで触ってしまって。びっくりされたんですね」

「ううん、大声出してごめんね。
健太君に下着見られたくなくて、つい声を張り上げちゃったの」

「僕に気を使わないでください。下着ぐらい…」

「だって、いつも着けてる色気のない下着だから…
あっ、ごめんね、重たいでしょ?」

家内が起き上がろうとしたため、
健太君は家内の背中に手を回して起こそうとしました。
二人の顔が数センチの距離まで急接近したその時、
健太君は家内の唇に向かって自分の唇を近づけていったのです。

家内の唇が健太君に…しかし健太君の頭が死角となり、
二人の唇が直接触れ合うところが見えませんでした。
ただ家内は健太君の顔が近づいてくると避けることもせず、
そっと目を閉じてその時を待っていました。
健太君のキスを受け入れたのです。

二人はしばらくの間固まったように動かず、唇を重ねていました。
私は二人のキスシーンに興奮しながらも
早く離れてくれ と心の中で叫び続けました。

ほんの数秒間でしたが、ものすごく長く感じました。
やがて健太君がゆっくり顔を離すと、
家内は顔を隠すように真下を向いてしまいました。
長い髪が家内の顔をすっぽり覆ってしまい表情が見えません。
家内は顔を隠した状態でじっとしていました。

家内は今何を思っているのか、
独身の男のマンションでキスまでしてしまった背徳感なのか、
密かに健太君の次のアクションを期待しているのか。

長い沈黙の時が流れ、健太君が先に口を開きました。

「仁美さん、あのぅ、僕は…」

家内は下を向いたまま静かに言いました。

「もう、帰らないと…」

「あっ、ああ、そっ、そうですよね。駅まで送ります」

家内はコートを着ながら健太君を制止しました。

「ううん、いいから。じゃあ おやすみ」

家内はあっさりと健太君のマンションを後にしました。

DVDを見終えた時は既に午前1時を過ぎていました。
時間を忘れすっかり没頭しまっていたのです。

翌日の昼休みに私は健太君に電話をしてみました。

「まさかと思ったけどキスとは驚いたよ。
1歩どころか2、3歩前進じゃないか」

「はぁ、自分でもまさかキスまでできるとは思わなかったんですが、
仁美さんの顔が目の前にあって、つい…」

健太君はやや照れながら申しわけなさそうに言いました。

「確かに自然の流れだったけど正直妬けたよ、
早く離れろって思ったしな(笑)」

「すみません、仁美さんの唇すごくやわらかかったし、
大人の女性って感じの匂いがしました。
僕みたいな若造の相手をしてもらってすごく嬉しかったです」

家内と最後にキスをしたのはいつだったか覚えてないぐらいの私にとっては、
健太君の喜び方が新鮮でした。

「上坂さんに連絡しようと思ってたんですけど、
実はさっき仁美さんに電話したばかりだったんです。
キスをした後、あっさり帰られてしまったし、
あれからまだ何もお話してなかったから、声が聞きたくて」

「ほぅ、そうか。別に何も変わりなかっただろう?」

「ええ、いつもの明るい仁美さんでホッとしました。」

「それで、何か言っていたか?キスのこととか」

「ええ…案外手が早いのねって…、
次は罰金取られるらしいです(笑)」

「ははは…面白いじゃないか」

「そうですね、でも罰金で済むなら
僕 いくらでも払いますよ」

二人はこれからどうなるのか、このままいけばいつかは…
家内がどこまで健太君と深い仲になるのか、
私は少々のリスクを冒してでもどうしても見たくなりました。


年度末から年度始にかけて私は多忙な日々を送りました。
帰宅が深夜になることも多く、家には寝るためだけに帰るようなものでした。
私に合わせるかのように、健太君からもあの日以来メールが転送されることもなく、
家内と健太君の話をすることもありませんでした。

4月も中旬ごろとなり、仕事の方もようやく落ち着いてきました。
そういえば、健太君からはさっぱり連絡がなくなったなあ 
と思いかけたある日、久しぶりに健太君が電話をしてきたのです。

「上坂さん、お久しぶりです。結構仕事が忙しくて、
仁美さんとも全然連絡とってなかったんです」

「本当か? あれからさっぱり音沙汰なしだったから、
家内とこっそり逢引しているのかと思ったよ(笑)」

「あはっ(笑)そうだといいですけど、とんでもないですよ。
それはそうとして、上坂さんと仁美さんを
お食事にご招待したいと思うんですけど…」

「ご招待って…健太君がご馳走してくれるのかい?」

「ええ、お任せください!」

健太君の話では、昨年度営業の成績がすごくよかったので、
店長からペアのお食事券をプレゼントされたとのことでした。
家内と二人で行こうとも思ったようですが、
あまり二人きりばかりだと家内も外出しにくいのではとの配慮で、
私も誘ってくれたようでした。

「そりゃうれしいことだけど、ペアの食事券なんだろ?三人で行くとなったら、
一人分は自腹になってしまうじゃないか」

「ええ、もちろんその分は僕が出します。
上坂さんには大変お世話になってますから、ぜひご招待させてください」

家内に話してみるとぜひ行きたいとのことで、三人で食事に行くこととなりました。
場所は知る人ぞ知る有名な料亭とのことで、いつもはジーンズばっかりの家内も、
その日ばかりはスーツを着て出かけました。
確か二年ぐらい前に新調した春物のスーツですが、
家内にしては膝上の短いスカートでした。
ただ、あれからやや太ったのか、腰まわりがやや窮屈そうで、
本人は気づいていたのかどうかわかりませんが、
スカートには下着のラインが浮き出ていました。

落ち着いた雰囲気の料亭で出された創作料理は、
今まで味わったことのないぐらいの豪華料理で、私も家内も大満足でした。

しかし、こんな高価なものを若い健太君に一方的に
ご馳走になったままでは申し訳なく思い、
料亭を出た後私が仕事で利用したことのあるスナックバーに行きました。

カウンターで、家内を間に挟んで、家内の左に健太君 
そして右側に私が座りました。
料亭から少々アルコールも入っていましたので、
スナックバーでは三人ともややテンションが高くなっていました。

「健太君、うちの家内のことどう思う?」

私は少し酔った勢いで健太君に聞きました。

「う~ん、素敵な方ですよね。お母さんみたいに包んでくれそうな感じで」

「ええっ!お母さんですって!お姉さんでしょ もーっ、失礼ね(笑)」

「あっ、すみません、訂正します。お姉さんでした(笑)」

和気あいあいのうちに、あっという間に時間がたっていきました。
しばらくして、私の右側に顔見知りのアルバイトの女性が座りました。
家内の視線が気になりましたが、彼女は年令は家内より上でしたので、
まあいいかと思い私はその女性と話しこんでしまったのですが、
家内は私に嫉妬するどころか健太君に寄り添うように楽しそうに話していました。
家内は足を組んで座っていたので、
膝上のスカートは太股の三分の一ぐらいが見えるまでに上がっていました。
健太君にも家内の太股が見えているはずです。
私はキスシーンを見た時とはまた違う興奮を味わいました。

そろそろ息子が塾から帰る頃でしたので、名残を惜しみつつも
私と家内はタクシーで帰宅しました。
そして、ゴールデンウィーク中に健太君を
我が家に招待しようということになったのです。

4月の下旬でしたが、健太君が我が家にやって来ました。

「おじゃましま~す!」

健太君はやや照れながら、紙袋を提げて入ってきました。
もしよかったら泊まってもいいぞと言ってましたので、
着替えの用意をしてきたようでした。

「いらっしゃ~い」

家内は特に変わった様子もなく、にこやかに健太君を迎えてやっていました。
健太君を居間に案内した後、家内は焼肉の用意をしかけたので、
私と二人でしばらく雑談していたのですが、
健太君が庭の方を見ながら言いました。

「もしかして、息子さんサッカーされているんですか?」

庭に転がっているサッカーボールを見つけたようでした。

「ああ、まだ始めたばかりだけど。サッカー部に入ったらしいよ」

「へーっ、そうなんですか。実は僕もやってたんですよ。中学、高校と」

「そうなのか、ならちょうどいいじゃないか、ちょっと息子に教えてやってくれよ」

私は二階にいる息子を呼びました。

「健太です、よろしくね。サッカーやろうか!」

息子の弘毅はやや人見知りする方で、最初はややぎこちなかったのですが、
気さくな健太君にすぐに慣れて、健さん・健さんと呼ぶようになりました。
二人は時間も忘れたように夢中でサッカーをしていました。
4月の下旬でしたが、その日はいいお天気で、気温も高かったので、
二人は汗だくになっていました。

「なによ、あなたたち汗ビッショリじゃないの。シャワー浴びて着替えなさいよ」

夕食の支度ができたので庭に出てきた家内が言いました。

「うん、健さん シャワー浴びようよ」

すっかり健太君と仲良くなった息子が、健太君の手を引っ張りながら言いました。

「あっ、じゃあ ちょっとシャワーをお借りします」

「健太君、その服明日も着るんでしょ。脱ぎなさい、洗濯しておいてあげるから」

「あっ、ああ、すみません。じゃあ…」

健太君は風呂場の横の脱衣室まで行き、家内がその後に続きました。
脱衣室に入った健太君は服を脱いで、
脱衣室のドアを少しだけ開けて家内に服を渡しました。
そして、そのすぐ後に息子も脱衣室の中に入ったのですが、
しばらくして息子の叫び声が聞こえたのです。

「うわぁー!健さんの超デカイ!!」

息子の叫び声は居間にいた私にも聞こえましたから、
当然家内も聞こえているはずです。
超デカイと言ったのは、健太君のあそこを見て言ったのでしょう。
中学1年生ですから、そういうことにも興味が出てくる年頃です。
息子が見た正直な感想を口にしたのでしょうが、
それがどれぐらいのものなのか、私も少し興味がありました。

夕食の準備も整い、私と家内は二人が出てくるのを待っていました。
浴室からは時々笑い声が聞こえてきます。

「あの二人、すっかり仲良くなったわね」

「ああ、弘毅も一人っ子だからな、
いいお兄ちゃんができたみたいでうれしいんだろうな。
健太君も今時珍しいいい男だよ。また、時々食事に誘ってやろうか」

「そうね…」

家内はちょっと曖昧な返事をしました。我が家に招待するより、
健太君のマンションに行きたいと思っていたのかもしれません。

二人が着替えを済ませて出てきましたので、四人での夕食が始まりました。

「さぁ、健太君 どんどんやってくれよ」

私は健太君にビールを注ぎながら言いました。

「遠慮しないでたくさん食べてね。うんと栄養つけないとね」

「いやーぁ、すごいですね。ありがとうございます」

健太君は目の前の肉の山を見ながらうれしそうに言いました。

「どうだ、弘毅 少しはサッカー上達したか?」

「うん、バッチリだよ。健さんに教えてもらうと
なんだかすごく上手くなったみたいで。
健さん どうしてJリーグの選手にならなかったの?」

「あはっ(笑)俺ぐらいじゃ全然だめだよ。
プロの選手はやっぱり違うから。車のセールスマンでよかったよ」

「そうなの?もったいないなあ……あーっ、健さんの これぐらいだったかな~」

息子が皿の上にあった10センチ以上ある大きなフランクフルトを箸で摘みながら言いました。

「おいおい(笑) ここで言うなよ」

健太君はやや恥ずかしそうに苦笑いをしながら言いました。
私も思わず笑ってしまいましたが、家内だけが黙っていました。

夕食も終わりかけた頃に息子が家内に言いました。

「ねぇ、お母さん、僕 健さんと一緒に寝てもいいよね?」

「そりゃあ いいけど、健太君いいの?」

「ええ、いいですよ。じゃあ一緒に寝るか、でも俺のいびきで寝れないぞ(笑)」

結局その日は健太君と息子が同じ部屋で寝ることとなりました。
キスまでしたとはいえ、
さすがに我が家ではどうしようもないだろうと思っていましたが…

翌朝7時過ぎに目覚めて一階に下りてみると、
既に健太君は起きていて居間で新聞を読んでいました。
家内はキッチンに立って朝食の準備をしています。

「おはよう、健太君 早いじゃないか、
休みなんだからもっとゆっくり寝ていればいいのに」

健太君は私の姿を見ると新聞をテーブルの上において立ちあがりました。

「おはようございます。十分休ませていただきました。
ちょっと早く目が覚めてしまったもので…」

「そうかい?結構遅くまで弘毅と話していたみたいだし、かえって悪かったかな」

すると、家内がエプロンで手を拭きながらこちらを見て言いました。

「本当よね、逆に気を使わせちゃったみたいね。
健太君 朝ご飯食べたら少し休んだらどう?弘毅はまだ寝てるみたいだし」

健太君は大きく手を振りながら言いました。

「いえいえ、大丈夫ですよ。昨日はとても楽しかったです。本当にありがとうございました」

しばらくして息子も起きてきましたので、
四人揃って朝食を食べた後、健太君は帰っていきました。
朝食の間も、健太君と息子が楽しそうに話をしていたぐらいで、
私は何も思わなかったのですが、
健太君が我が家を出てから30分ぐらいたってからでしょうか、
健太君が私にメールを送ってきたのです。

゛上坂さん ありがとうございました。
すぐにお話したいことがあるんですが、
できれば駅前まで出てきていただけないでしょうか?゛

昨日から朝にかけて何もなかったように思うけど
話があるというのはどういうことだろうか…
とにもかくにも私は健太君に返信しました。


゛わかった、もうしばらくしたらそっちに行くから待っていてくれるか。
話というのはなんだい?相談なのか、報告なのか゛

゛報告です、相談もするかもしれませんけど。
僕は上坂さんにはすべてを報告する義務がありますから゛

健太君らしい律儀なメールでしたが、私は急にドキドキしてきました。
報告というからには昨日から今日にかけて、
健太君と家内の間に何かがあったということでしょう。

しかし、健太君は息子と一緒の部屋で寝ていたのは間違いありません。
隣の部屋で寝ていた私には、二人が遅くまで話をしていたのが
微かに聞こえましたし、家内は一階で寝ていたのです。
となると、息子が寝てしまった後に、
健太君が家内の部屋へ行ったということになりますが、
健太君がそこまでするとはどうしても考えられなかったのです。

私は家内に買いたい本があるから出かけると言って家を出ました。
駅前に着くと健太君が待っていてくれてました。

「お呼びたてして申し訳ありません。
上坂さんの家ではお話できないですから」

「いやいや、いいよ。とにかく喫茶店でも入るか」

私は健太君と近くの喫茶店に入りました。

「それで…なんだい、報告というのは?」

私ははやる気持ちを押さえながら健太君に尋ねました。

「最初に上坂さんに謝罪しないといけないんですが、
今回はビデオ報告はないんです」

「そりゃあ そうだろ。
何があったかわからないけど、
まさかそれを予定してビデオを持ってきていたわけでもないだろ。
それに我が家のことを知らない健太君が盗撮できるわけがないし」

「ええ、でもビデオ報告を条件に
仁美さんをマンションに招き入れることを
了解いただいてましたから」

「相変わらず律儀だなあ、君も。
まあ、いずれにしても一体なにがあったんだい?」

健太君はやや申し訳なさそうに話し始めました。

「上坂さんの家だったから、
仁美さんに何かしようなんて思わなかったし、する気もなかったんです。
でも、すみません…キスしてしまいました」

なんだ、キスか…私はホッとしつつも期待外れの気持ちもありました。

「キスだったら前と同じじゃないか。そんなに勿体ぶるなよ(笑)」

健太君は真剣な表情を崩しませんでした。

「同じキスでも前とは全然違うんです」

「違うって…もっと濃厚ってことか?
ディープキスってやつか?」

「…すみません。
かなりっていうか、結構激しかったと思います」

家内と健太君が濃厚なディープキス…
自然の流れだったのかもしれませんが、
我が家での出来事とは驚きでした。

「一体いつそんなことしたんだ?」

「今朝です、朝6時ぐらいです」

私は胸の高鳴りを覚えながら健太君に聞きました。

「健太君 もしかして家内の部屋まで行ったのか?」

健太君は首を振りながら否定しました。

「違います!僕 そこまでしないです。上坂さんと弘毅君がいるのに」

「僕 6時前ぐらいに起きてしまったんです。
まだ早いし、もっと寝ようと思ったんですけど目が覚めてしまって。
それで仁美さんが服を洗濯してくれるって言ってましたから、
取りに行こうと思って一階へ降りたら、
浴室で誰かがシャワーを浴びている音が聞こえたんです」

6時頃なら私も息子も寝てましたから、
シャワーを浴びているのは家内に間違いありませんでした。

「家内が朝からシャワー浴びていたのか、珍しいな」

「声をかけるわけにもいかないですから、
あたりを探してみたんですけど服が見つからなくて。
それでしばらく待っていたんですけど、
仁美さんを待ち伏せしているみたいに思われたくなかったから、
また二階へ上がって待ってたんです。
しばらくして、浴室を出て脱衣室に行く音が聞こえたんで、
わざと大きな足音をたてて階段を降りて脱衣室の前まで行って声をかけたんです」

『おはようございます』

『あれっ、健太君?どうしたの、早いじゃない』

「仁美さんはちょっとビックリした感じで、
脱衣室のドアを半分だけ開けて顔を出してくれました。
髪はボサボサで濡れてて、バスタオルで身体の前を隠してました。
僕は見てはいけないと思って顔をそらしながら言ったんです」

『すみません、あのぅ 僕の服はどこですか?』

『あっ、ごめんね、今出すからちょっと待っててね』

「仁美さん バスタオルで前は押さえてましたけど、
ちょっと慌ててましたから、胸の谷間がはっきり見えてしまって…」

「そうか、家内もまさか健太君がこんな時間に起きると思わなかったから
焦ったんだろうな」

「そうだと思います。慌てさせてしまって仁美さんには申し訳なかったんですけど、
僕 すごくドキドキしてしまって。
仁美さんの胸があんなに大きいと思わなかったんです」

「そうかい?ちょっと着痩せするタイプかもしれないけどな」

確かに家内は元々胸は大きい方でしたが、
ここ数年セックスレス状態でしたから、
私も家内の身体をしばらく見ていませんでした。
もう44歳ですから体型も崩れつつあるのが服の上からもわかりましたが、
健太君の話を聞いていると、今どんな身体になっているのか見てみたくなりました。

「僕 これ以上は見てはいけないと思って、
居間に行って待ってたんです。
しばらくして、仁美さんが服を持ってきてくれました」

『ごめんね、お待たせ。はい、これっ、乾いているからね』

「綺麗に折りたたんだ服を僕の目の前に差し出してくれたんですけど…
僕 そこで理性を失ってしまったんです。
上坂さんの家にいるということも一瞬にして吹き飛んでしまいました」

私は息が止まるような思いでした。

「理性を失ったって…どうしたんだ?」

「仁美さん 着替えて出てきたんですけど…
ノーブラだったんです。白いTシャツ一枚だけで、
下半身まですっぽり隠れてしまう大きいシャツでしたけど、
胸のあたりにポッチリと…」

「仁美さん 慌てて出てこられたので、
下着をつけてなかったと思うんですけど、
太股から下が丸見えで素足だったんです。
僕 もう自分を押さえることができなくて、
仁美さんが差し出した服を受け取らずに、
手首を掴んでしまいました。

仁美さんはビックリして離れかけようとしましたけど、
僕は手首を離さなかったんです。
もう自分で自分をコントロールできない感じでした。

もし、仁美さんに大声を出されて、
上坂さんや弘毅君に見つかってしまってもいいぐらいの気持ちだったんです。
僕は仁美さんの手首を引っ張って自分の方に引き寄せました。
仁美さんの身体が僕にもたれかかるようになって、
ふっくらとした胸の膨らみが僕のお腹のあたりに当たりました」

家内は二階で私と息子が寝ているのに何も抵抗しなかったのか、
家内ももしかしたらどうなってもいいみたいな気持ちになっていたのか、
私は複雑な気持ちでした。

「家内は、逃げようともしなかったのか? 抵抗はしなかったのか?」

一気に喋り始めた健太君を制止するように私は言いました。

「抵抗されたらやめていたかもしれないです。
でも仁美さんは僕の方に寄りかかったまま動きませんでした。
仁美さんが抵抗しないことをいいことに、
僕は仁美さんの顎に手を添えて顔を上に向けて唇を強引に押しつけました。
もうこの時を逃したら、二度と仁美さんと触れ合うこともないかもしれない、
見つかってしまったらもう会えないかもしれない…
そう思うともう後戻りできなかったんです。
僕は仁美さんの口の中に強引に舌を差し込みました。
仁美さんの舌を追いかけて何度か絡み合った後、
僕は仁美さんの舌を唇で挟んで思いきり吸いこみました。
何度も何度も吸って仁美さんの唾を飲み込みました」

その場の雰囲気がわかるような健太君の話に、
私は興奮しながら聞き入ってしまいました。

「数分間ぐらい仁美さんの唾をいっぱい飲んで顔を離しました。
仁美さんはうっとりした表情で僕の方を見上げながら言ったんです」

『…罰金…たくさん払ってもらうわね』

「仁美さんはそう言うと、僕の首に両手を回して、
少し背伸びをして今度は自分から唇を僕の方に押し付けてきたんです。
さっきとまったく逆でした。
仁美さんは僕の口の中に舌を入れてきて、
僕の舌を捕まえると思い切り吸い込んでくれました。
ゴクゴクと喉が鳴るぐらいいっぱい唾を飲み込んでくれたんです。
仁美さんが僕の唾液を美味しそうに飲み込んでくれている…
僕はもう爆発しそうでした。
僕は仁美さんの腰に両手を回しました。
手に仁美さんの下着の感触が伝わってきました。
上はノーブラでしたけど、下はパンティをはいているのがわかりました。
僕は仁美さんの腰を自分の方に引き寄せて、
極限状態にまで膨張している自分のものを押しつけました。
自分のものを仁美さんに誇示したい、
仁美さんに僕のものの形・大きさ・硬さを体感して欲しい、
そして仁美さんの中に…そう思いました」

私はしばらく言葉が出ませんでした。
いかに慌てていたとはいえ、
Tシャツ一枚でしかもその下はパンティだけという姿で、
わずかの間であっても若い独身男性に近寄ったことは
家内が軽率だったと思わざるを得ません。
しかし、家内は自分から健太君の唾を飲み込み、
健太君の若々しいものをTシャツ越しに体感したのです。
家内はどう思ったのか、このまま抱かれてもいいと思ったのか…
今まで遠慮がちな二人には想像できない行動でした。

私と息子が二階で寝ている、しかも明方ですからいつ起きてくるかもしれない中で、
家内と健太君は一階で濃厚な時間を共有していた、
私にとっては信じられないことでした。
ただそれ以上の進展はなかったのです。

「僕 夢を見ているみたいで、
このまま時間が止まって欲しいって思いました。
でも、夢のような時間はすぐ終わってしまって。
仁美さんが離れていったんです」

『早く着替えてね、もうそろそろ二階から起きてくるかもしれないし。
もう会えなくなってもいいの?』

『…わかりました』

「もう会えなくなるのは嫌ですから、
僕は服を持って二階へ行って着替えました。
着替えて降りてみると、
仁美さんも着替えていて何事もなかったかのようにキッチンに向かっていました。
僕 何もすることがなくて居間で新聞を読んでいたとき、
上坂さんが起きてこられたんです」

家内と健太君は最後の一線は越えていなかった…
私はホッとした反面、それに近いところまで二人の関係が深まった、
それも我が家の中で…そのことが私の心を強く刺激しました。

健太君は明方の一部始終を話してしまうとしばらく下を向いて黙っていましたが、
やがて深く頭を下げながら言いました。

「上坂さん 申し訳ありませんでした。
上坂さんと弘毅君が同じ屋根の下にいるのにこんなことしてしまって。
もし弘毅君に見つかっていたらすごく傷ついたと思います。
そんなことになったら、僕だけの問題じゃなくなりますから。
仁美さんと弘毅君の関係がおかしくなってしまったら、
弘毅君の将来にかかわってきます。
男としてすごく軽率な行動だったと反省しています」

真面目に謝罪する健太君に私は慰めるように言いました。

「健太君が一方的に無理矢理したことではないし。
それに、Tシャツ一枚で君に近寄った家内が原因を作ったようなもんじゃないか。
俺が健太君だったら最後までやってしまっていたと思うよ。
それより正直に話してくれて感謝しているよ」

しばらく沈黙の時間が流れました。
私は慰めたつもりでしたが、正直嫉妬もしていました。
これから二人はどうなるのか、
どうするつもりなのか…私は健太君に聞きました。

「健太君 これからどうするつもりなんだ、もう家内とは会わないのか?」

健太君はしばらく間をおいてから言いました。

「上坂さんがもう会うなと言われるなら会いません。
でも僕の正直な気持ちとしては会いたいです」

これからも二人が会うことになれば、
いずれは間違いなく男と女の関係になるでしょう。
それが嫌なら今ここで会うなと言えばいいことでした。
しかし、すでに寝取られ願望のようなものが強く芽生えていた私には、
会うなという言葉はなかったのです。
その一方で、一つ気になっていたことを健太君に聞きました。

「健太君 ちょっと聞きにくいんだが…」

「はっ、何でしょうか?」

「…健太君のもの…そんなに大きいのか?」

息子が超デカイと言ったり、
串つきのフランクフルトを摘みながらこれぐらいだと言っていたのを
思い出しながら言いました。
健太君はやや顔を赤くしながら言いました。

「人と比べたことないですからわからないですけど、
多分平均以上だとは思います」

平均以上…何を持って平均というのか、
それは誰にもわからないことですが、感覚的に平均以上と思ったのでしょう。

「今まで付き合った女性はいたんだろ?」

「ええ、僕も32ですから、そんなに多くないですけど…三人ぐらいです」

健太君はやや言いにくそうでしたが答えました。

「普通に…付き合っていたんだろ?」

「ええ、まあそうなんですけど…あまりいい思い出なくて」

私は健太君に悪いと思いつつも根掘り葉掘り聞いてしまいました。

「いい思い出ないって…どういうことなんだい、
あまり女運がよくなかったのかな?(笑)」

ちょっと真面目に聞きすぎたように思えましたので、
茶化し気味に尋ねましたが、健太君は笑いませんでした。

「あまり長続きしないんです。せっかく仲良くなって深い関係になっても
すぐ終わっちゃうんです」

「どういうことなんだい?それは…」

「経験のない女性はどうしても痛がってダメなんです。
経験のある女性でも結構きついらしくて。
だから女性と長い間親しく付き合った思い出ってないんです」

話を聞いているだけでも、健太君のものがかなり大きいものであることは想像できました。

「僕も男ですから、友人とかに誘われて風俗も何度か行ったことあるんですけど、
風俗関係の女性には結構ウケがよくて…
ソープの女性に真剣に付き合って欲しいって言われたこともあるんです。
もちろん付き合ようなことはなかったですけど」

素人の女性は痛くてダメで玄人にはウケがいい…ちょっと信じられない話でした。

「本当かい?それじゃ普通に結婚できないじゃないのか?
健太君 ちょっと大袈裟に言い過ぎだろ」

「上坂さんに嘘ついてもしょうがないし、
今までも正直にお話してきました。大袈裟に言ってるつもりはないんです」

確かに律儀な健太君のことですから正直に言っているのでしょう。
信じられない話ではあったものの、私は今後のことでやや不安が出てきました。
もし、家内と健太君が関係を持ったらどうなるのか、
風俗関係の女性に好まれるという巨大なものを家内が味わってしまったら…
その後私は思わぬ言葉を吐いてしまったのです。

「健太君、見せてくれないか?」

「えっ、見せるって…何をですか?」

健太君は怪訝そうな顔をして私の方を見ました。
今から思えばその時私はどうかしていたのか、
普通であれば恥ずかしくて言えないようなことを口にしてしまったのです。

「健太君の…ものを見せて欲しいんだ」

「そっ、それは…」

健太君はさすがに困った顔をしました。
無理もないことです。
いきなり下半身を見せろと言われれば誰でも躊躇するでしょう。
しかし、私はそんなことはお構いなしに健太君に頼んでしまったのです。

「見せてくれないか。もしかしたら、
いつかは家内の中に入ってしまうかもしれない健太君のものを
俺はどうしても見ておきたい」

ある意味変態と思われるようなことを私は口走ってしまいました。

「いくら上坂さんのお願いでも、それだけは…」

健太君は困り果てた顔をしました。健太君の困惑を理解しながらも私は続けました。

「男にこんなことを言われて、見せにくいのはよくわかるよ。
いつでもいいから画像をメールで送ってくれないか」

健太君はしばらく黙って考えていましたが、やがてゆっくりと口を開きました。

「上坂さんにお聞きしますが、もし僕がどうしても見せられないと言ったら…」

私は迷わずに思い切って言いました。

「それなら家内には会わないでくれ。
メールも電話も今後一切の接触を断るよ」

下半身を見せないなら今後一切会うな、
40代の男が言う言葉には思えません。
今から振りかえっても恥ずかしいような話です。
健太君は一瞬驚いた顔をして、しばらくうつむいて考えていましたが、
やがて決心したように顔をあげて言いました。

「そうですか、わかりました。じゃあ、今からお見せします」

健太君はそう言うと立ち上がりました。

「えっ!!今からって…?」

今度は私がビックリする番でした。

「画像じゃなくて、本物をみてください。生身の私のものをご確認ください」

主導権を健太君に奪われた格好になった私は途端にたじたじになってしまいました。

「今からと言っても…ここでは…」

「すぐ近くに量販店があります。そこの男子トイレに行きましょう」

健太君は挑むような目つきで私を見ました。


喫茶店の勘定を済ませ、我々は量販店の二階にある身障者用の広いトイレの中に入りました。
トイレの中で健太君と二人きりになると、
周りに人の気配がないことを確認し、健太君が口を開きました。

「上坂さん ちょっと生意気で挑戦的なことを言ってしまって
申し訳ありませんでした。
でも、仁美さんとの接触を禁止されてしまうことには
どうしても耐えられなかったんです」

「いや、俺も言い過ぎたかもしれないよ。
だから、何もここで見せてくれなくてもいいよ。画像でいいんだから」

「いえ、もうここまできたら上坂さんには
ぜひ直に見てもらいたいです。
僕が言ったことが大袈裟なのかどうかもご判断いただきたいです。
これから仁美さんとどうなるかわかりませんが…」

健太君はそう言うと、ベルトを外しファスナーを下ろすと、
あっというまにジーンズを脱いでトランクス一枚になりました。

「さすがに勃起はしていませんけど、どうぞご覧ください」

健太君はそう言うとトランクスを一気に脱ぎ捨てました。

私の目の前に健太君の下半身か露になりました。
やや毛深い陰毛に覆われながら、その見事な全容がさらけだされたのです。

「うっ…」

私は思わず声を上げそうになりました。

(大きい……)

もちろん勃起しておらず、だらりと垂れ下がってぶらぶらと揺れていましたが、
それでも私の勃起時と同じぐらい、いや多分それ以上でしょう。

(こんなに…大きいとは)

AVとかで外国人の勃起した巨大なものを見たことがありますが、
平常時でこの大きさということは勃起したら…
正直なところ、健太君は大袈裟に言っていると思ってましたし、
若いから少し自慢したいのかなと思っていたのです。
しかし、健太君のものは、昨日の夕食の時、
息子が摘んでいた串つきのフランクフルトをしのぐ大きさでした。

若い女性が痛がるようなものでも、出産を経験している家内が健太君に抱かれたら…
いずれ家内は健太君の虜になり、自ら望んで健太君の餌食になってしまうのでは…
健太君なしではいられない、
健太君に抱いてもらうためにマンションに通い続け性処理女になってしまうのでは…
私はこれからのことを考えると怖くなってきました。

「健太君 悪かったな。もういいよ、しまってくれ」

健太君のものに完全に圧倒されてしまった私は、やや視線をそらしながら言いました。

「あっ、はい。やっぱり照れますね、こういうのって…」

健太君はやや照れ笑いを浮かべながら、床に落ちたトランクスを拾い上げて履きました。
健太君のものがトランクスの中に納まってしまうと、
なぜか私もホッとしたのですが、それもつかの間、
トランクスの裾からずっしりとした亀頭がはみ出しているのが目に入りました。
もう見たくないと思っていたのに、最後にダメ押しで見せつけられたような感じでした。

「仁美さんにはお礼のメール送っておきます。では失礼します」

量販店を出ると健太君は何事もなかったかのように帰っていきました。
家内と会えなくなるのを避けるため、
恥ずかしながらも自分の下半身を見せてくれた健太君でしたが、
私に対して恩着せがましいことは一切言いませんでした。

(バカなことを言わなければよかったな…)

私は家路につきながらやや後悔しました。
結局健太君の下半身を見てしまったばかりに、
今後の二人の付き合いを認めてしまったようなものでした。

(次に二人が会えば、まず間違いなく家内は健太君のものを受け入れてしまうだろう。
しかし…それだけでは終わらないかもしれない)

私は一旦家に帰ったものの、息子はサッカーの練習で出かけていたので、
家内と二人きりになることを避け、昼食を済ませると再び出かけました。
どこへ行くあてもなかったのですが、
パチンコをしたりして時間をつぶして夕方に帰ったのです。


翌日、私は会社が休みだったのですが、家内はパートに行く日でした。

「雨は降らないと思うけど、洗濯物 2時くらいに入れておいてくれる?」

家内はそう言うと出かけていきました。

「ああ、今日は一日家にいるから」

私は昨日見た健太君のものがまだ頭の中に残っている感じで、
何をする気も起こらず居間でテレビを見ながらボーッと過ごしました。
2時を過ぎたころ、家内が洗濯物を入れるようにいっていたことを思い出し、
庭に出て洗濯物を入れかけたのですが、おかしなことに気づきました。

家内の下着が三枚も干してあるのです。
洗濯はほぼ毎日していたように思いますが、
私の下着も息子の下着も一枚ずつしか干してないのに、
なぜ家内のだけ三枚もあるのか、
三枚あるということは昨日二回着替えたということです。
なぜ、二回も着替えたのか、着替えなければならないようなことがあったのか…
私は異様に興奮してきました。

もしや…家内が…オナニーを??そうに違いありません。
家内は健太君の逞しいものを押し付けられ、
熱く火照った身体を鎮めるために、自分で…
もう家内の心は完全に健太君が占領してしまっているようでした。

私は家内の下着を眺めながら、あれこれと想像してしまいました。
家内はどんな場面を想像してオナニーをしたのだろうか、
健太君の巨大なものが身体を貫通し、
子宮が壊れてしまうぐらいに突かれているところなのか、
健太君に身体をもみくちゃに貪られて弄ばれているところなのか、
それとも健太君のものを美味しそうに頬張る自分を想像していたのか、
44歳の家内が誰もいない家の中で、
こっそりと健太君を思いながらオナニーしていることを想像し、
恥ずかしながら私も自分でしてしまったのです。
家内が想像していることが早く実現して欲しい、早く見たい…
しかしその後どうなってしまうのか…
家内は健太君から離れられなくなってしまうのでは…

私の複雑な気持ち・迷いをあざ笑うかのように、
その日は意外と早くやってきてしまったのです。

あの日以来、家内と健太君の仲は急速に深まっていった感じでした。
ゴールデンウィークだったこともありますが、
二人は頻繁にメールのやりとりをしていました。
特に健太君は今まではやや遠慮がちだったのが、
かなり積極的になっていることが転送メールからもわかりました。

゛仁美さん 今どうしてますか?僕は仁美さんのことばかり考えています。
会いたいなって…仁美さんのやわらかい唇に触れてみたいし、
思い切り吸ってみたい。ごめんなさい、昼間から変なメール送ってしまって… ゛

゛うれしいな、私のこと思ってくれているの。
私も健太君のこと 時々思っているのよ。
でもなんだか申し訳なくって。
こんなおばさんなのに、いいのかなぁなんて思ってます ゛

゛仁美さんはおばさんなんかじゃないですよ、
僕が今まで出会った最高の女性です、本当に…。
上坂さんや弘毅君には申し訳ないですけど、
もし許されるなら仁美さんを僕のものにしてしまいたいです。
何時間も何日間も仁美さんを抱きしめて、
僕の愛情を仁美さんの中にいっぱい注いでしまいたいです ゛

゛ありがとう、何て言っていいのかわからないけど…
健太君の愛情を受けとめてみたい ゛

そして、連休もあと二日になった朝に健太君よりメールが来たのです。

゛もうすぐゴールデンウィークも終わってしまいますが、
最後の日あたりに仁美さんとデートさせてください。
もちろん、仁美さんの気持ちが最優先ですが、
できれば僕のマンションにお誘いしようと思います ゛

健太君のマンションに家内を招き入れる…
何をしようとしているかは明白です。
私はドキドキしながらも健太君の申し入れを了承しました。

゛いよいよってことだな。ビデオ撮影を忘れないように頼むよ。
それと、家内にわからないように、
時々タイミングをみてメールか電話をくれないか?
今どこにいるとか、家内が今どうしているとか ゛

゛了解しました。できるだけその場の雰囲気をお伝えするようにします。
了承いただきありがとうございます ゛

正直なところ少し迷いもありましたが、
私はすんなりと了承してしまいました。
あの健太君の巨大なもの、あれがガチガチに膨張して
家内の中に入ったら果たしてどうなるのか、どんな反応をするのか、
痛がるのか、狂ったように喘ぐのか…早くみたい、とにかく見たい、その一心でした。


それから30分もしないうちに健太君が再びメールを送ってきました。

゛明日お会いできることになりました。
時間ははっきりと決めていませんが、お昼前後になると思います。
家のことを気にしておられるのか、
あまり長い時間は困るようなことも言われていましたので、
ちょっと迷いましたけど直接マンションに来てもらうことになりました。
上坂さん 邪魔しないでくださいね(笑) 冗談です…すみません ゛

あまりに早く明日のことが決まってしまったので私はびっくりしました。
家内はさっきまで洗濯をしているように思いましたが、
メールをしながら健太君と明日の約束をしていたのです。
しかも、直接健太君のマンションに行くことを了承したということは、
まさに抱かれるために行くようなものです。

私は心臓がバクバクしながらも健太君に返信しました。

゛今さら邪魔なんかしないさ。
家内が明日出かけるまでの様子をじっくり観察するよ。
それよりさっき言い忘れたけど、避妊はしっかりしてくれよ ゛

゛はい、それは必ず守りますのでご安心ください。
仁美さんが妊娠なんかしちゃったらすべてぶち壊しですからね ゛

「あー、忙しい、忙しい。次は掃除だー」

洗濯は一応終わったのか、家内は独り言を言いながら、
居間にいた私とは視線を合わさず足早に二階へ上がっていきました。
気のせいか明日の約束をしてから家内の動きがテキパキしているようにも思えました。

家内は昼食の間も明日のことは一言も言わず、
昼から買い物に出かけ、帰ってきてからも何も言わなかったのです。
一体どういうつもりなんだ、何とか言えよ、
言わないならこっちから言ってやろうか…
私はなんとなくイライラしてきました。
そして夕食も終わり、居間で私と息子がテレビを見ていた時、
ついに家内が話しかけてきたのです。

「弘毅は、明日は一日中サッカーの練習だったよね」

「ああっ、そうだよ」

「あなたは? 私 お昼前から出かけたいんだけど…」

とうとう言ったな…私は家内の方は見ずに、テレビを見ながら答えました。

「ああっ、連休の最後だし家でゆっくりするよ。
外に出て疲れたくもないしな。遅くなるのか?」

「ううん、ちょっとお友達と食事するだけだけど、
お留守番してくれるならゆっくりしちゃおうかな」

何がお友達と食事だ、健太君に抱かれに行くくせに…
家内の見え見えの嘘に嫉妬もしましたが、
時間を気にせず健太君に抱かれて痴態を晒せばいいさ…そんな気持ちが勝っていました。

そして、翌日家内は10時頃に出かけていきました。

「じゃあ、あとお願いね…」

いつもと変わらないジーンズを履いて、相変わらずの薄化粧でした。
もう少し綺麗な格好をしていけばいいのに…
それにしても緊張しないんだろうか、
女はいざとなったら強いもんだな…私は少しあきれました。

家内が出かけてしばらくしてから、私は健太君にメールをしました。

すると健太君からすぐに返信がありました。

゛おはようございます。仁美さんから先ほど11時ぐらいに
マンションに行くからって連絡いただきました。
今日のためにビデオをもう一つ購入して、
和室と寝室の二ヶ所にセットしました。
上坂さんにリアルな映像を必ずお届けします。
僕も今心臓が飛び出るぐらいドキドキしています。
時間がもったいないので、
仁美さんが来られたらすぐに抱きしめてしまうつもりです ゛

あと一時間もしないうちに、家内と健太君は…
私はいてもたってもいられなくなりました。

時間の経過がすごく遅く感じました。
まだ11時にはなっていませんでしたが、
私はそわそわして落ち着かず、携帯を握りしめ時計ばかり見ていました。
じたばたしてもどうしようもないのでテレビをつけましたが、
まったく何も目に入らない感じです。

そして、11時が過ぎました。家内が健太君のマンションに着くころです。
健太君は時間がもったいないからすぐに抱きしめてしまうみたいなこと
をメールで書いてましたが、もしかしたら今頃…
そう思うともう耐えられませんでした。
何でもいいから、今どうなっているのか、
何をしているのか、とにかく知りたい、知らせてくれ…
しかし、健太君からは何の知らせもありません。

11時半をすぎるともう我慢できなくなり、
健太君に電話しようと思った時に健太君からメールがきました。

゛上坂さん とりあえず第一報を送らせてもらいます。
仁美さんは今、シャワーを浴びています。
予定通り仁美さんを抱きしめてそのままと思ったんですが、
どうしてもシャワーを浴びたいと言われました。
僕も後でシャワーを済ませてから、寝室に連れていきます。
今からはうまくお伝えするタイミングがないかもしれませんのでご了承ください。では… ゛

仁美はもう自分のものだと言わんばかりのメールで、
年下の男にバカにされたようで腹が立ってきました。
しかし、もうどうしようもありません。

家内がシャワーを浴びている…もう間もなく健太君に抱かれるのでしょう。
もしかしたら、途中で気が変わって帰ってくるのでないかと期待もしました。
健太君に抱かれて欲しい、若い男に抱かれて家内がどうなるのか見たい、
しかし私には夫も子供もいますからと言って拒否して欲しい…複雑でした、
何とも言えない気持ちでした。

でもとうとう家内は健太君に抱かれる方を選択してしまったのです。

抱かれることがはっきりしてしまうと、
時間の経過が気になりつつも、私は不思議と落ち着いてきました。
結論が決まっているのだから、後は健太君を信用してその報告を待つしかない…
そんな気持ちだったのです。

私は食欲もありませんでしたが、
キッチンでインスタントラーメンを作って、テレビを見ながら食べました。
時刻が刻々と過ぎていきました。12時……12時5分……12時10分……
落ち着きは取り戻したものの、やはり気になりました。

家内は今頃どんな格好をしているんだろうか、
全裸で健太君の前にすべてをさらけ出し、健太君の逞しいものを…

ラーメンだけの簡単な昼食を済ませ、お茶を飲みながらボーッとしていた時でした。
もう帰る時まで何も連絡はないだろうと思っていたのですが、
突然携帯が鳴ったのです。
健太君からか?…私は慌てて携帯を見ました。
メールではなく電話でした。時刻は12時56分だったと記憶しています。

「もしもし…もしもし…」

しかし、電話からは何も聞こえてきません。
私はテレビを消して携帯を耳に押しつけました。

「もしもし…健太君か、どうしたんだ?」

すると、携帯からサワサワと布団が擦れ合うような音に混じって
微かに声が聞こえてきたのです。

「……ああっっ……ああっっ……」

こ、これは…家内の…声なのか?

「……いっちゃう……」

聞こえにくかったのですが、家内の声に間違いありません。
健太君は家内を抱きながら、携帯を通話状態にしているようでした。
私の心臓は飛び出るぐらいにバクバクしていました。
どんな小さな音でも聞き逃したくない…私は息を殺して携帯を耳に強く押し当てました。

「……いくわっ…いくわっ…また……いっちゃう……」

私は微かな声も聞き漏らさないように、
携帯が壊れそうになるぐらいに強く耳に押し当てました。
布団かシーツの擦れる音が邪魔でしたが、
その合間に家内の声が僅かに聞こえてきました。

「……けっ…けん…た……くん……もうっっ………ああっっ………」

声しか聞こえない私はドキドキしながら、
電話の向こうの様子を想像しました。
家内はもう健太君に身体のすべてを見られているのか、
健太君に迫られて惜しげもなく熟した肢体をさしだし、
若い性欲の餌食となっているのか…

「………もうっっ………わたし………ああっっ、ああっっ……」

もうすでに家内の身体には健太君の逞しいものが貫通してしまっているのか…
健太君の執拗な攻撃に翻弄されているような感じでした。
12歳も年下の健太君に許しを乞うような家内のあえぎ声…
しかし健太君の声はまったく聞こえてきませんでした。

私は今すぐにでも健太君のマンションに飛んでいきたいぐらいでした。
家内が健太君とセックスしている現場をこの目で見たい、
家内の身体が健太君の玩具になって汚されているところを見たい…
しかし見るのが怖い気持ちも強くありました。

現場は見れないまでも、健太君からはDVDでの報告はあるでしょう。
そこには変わり果てた家内がいるのかもしれません。
健太君の若い身体を堪能してしまった家内は、
健太君に抱いてもらうために、何でも言いなりになる女に…

健太君からの「携帯実況中継」は長く続きませんでした。

「……ああっっ……いくっ、いっっっっくぅぅぅぅぅ………」

家内が昇天するような喘ぎ声に混じって、
ガサガサと大きな音がして携帯が途切れてしまったのです。

「おい!おい!……」

私は思わず叫んでしまいましたが、
相手に切られてしまえばどうしようもありません。

くそっ!…よりによって今からというところで……
普段の地味な家内からは到底考えられない淫靡な喘ぎ声を耳にし、
興奮の絶頂にいた私には、山頂まで上り詰めたのに
帰り道が消えてしまったような感じでした。

私は我慢できずに健太君の携帯に電話しましたが、
呼び出し音が空しく聞こえるだけでした。
今、家内が健太君にいかされている……
身体中を触られ恥ずかしいところを舐められたり指を入れられているのか、
それとも今まで経験したことのない大きなもので突かれているのか…
いずれにしても二人の身体は一糸まとわぬ状態で絡んでいるのでしょう。

ああっ、耐えられない…見たい!
私はもう一度健太君の携帯に電話してみましたが結果は同じでした。

しかし落ち着いて考えてみれば、
家内はいかされてしまうメロメロになっているのに、
健太君は携帯の操作をしていることが不思議でした。
そこまで健太君に余裕があるということは、
もしや健太君は何か道具のようなものを使っているのではないか…
そう思うと腹が立ってきました。
家内を抱くことは了承したものの、最初から道具を使うとは…
もしそうなら許せません。
道具を使うなとは言われてないと健太君が言うならその通りかもしれません。
しかし、道具を使うということは家内の身体を玩具のようにしか考えていないということです。
私にはそれが許せないのです。
家内のことが好きだと言っていたのに…それならもっと大事にするべきです。

一体今どんな状態なんだ…私は落ち着きませんでした。
夢中で何度も健太君の携帯に電話しました。
そしてやっとつながったのです。さきほど電話があった時から
一時間近く経過していたでしょうか。
布団の擦れる音がかなり激しくなって、電話が揺れているような感じでした。
聞こえてきた家内の声に私は息を呑みました。

「……もうっっ……いってぇぇぇぇぇ……おねぇぇぇぇがいぃぃぃ……」

まだ…やっているのか?私は信じられませんでした。
最初の電話の時から一時間、メールを送ってきた時から二時間以上です。
一体いつまでするつもりなんだ…それにそんなに長い間…若い男の相手を家内が…

電話はそこでまたもや切れてしまいました。

携帯は切られてしまいましたが、私の興奮はなかなか収まりませんでした。
健太君のマンションの寝室で、家内は健太君と男と女の関係になってしまった……
家内は私と結婚してからは、私以外の男は知らないはずです。
それがいとも簡単に……こうなることを期待していたのに、
なぜか空しくて悔しい気持ちもありました。
自分の大切な妻を32歳の若造に取られてしまった気分です。

いろいろなことが頭の中を駆け巡りました。
家内は何の抵抗もせず、健太君に抱かれたんだろうか…
もしかしたら、抱かれるだけではなく健太君の逞しいものを口にしているのでないか…
健太君は本当に避妊したのか、私に内緒で中で出してしまっているのではないか、
もし万一妊娠でもしたら…家内は若い健太君に惚れこんでしまい、
もうこの家には帰ってこないのではないか…

とにかく早く帰ってきて欲しい、
もうどうでもいいから早く家内の顔が見たい…

そして、3時半を過ぎた頃、
待ち焦がれていた健太君からのメールがようやくきたのです。

゛上坂さん 長い間仁美さんにお付き合いいただきありがとうございました。
たった今、仁美さんをお見送りしたところです。
初めてお会いした時から憧れだった仁美さんと
夢のような時間をともに過ごすことができて僕は本当に幸せです。
失礼かとは思いましたが、途中で仁美さんの様子もお伝えさせていただきました。
もしご気分を害されたようでしたら深くお詫びいたします。
今、早速DVDへ編集していますので、
夜遅くでもよろしければご自宅の近くまで持参します ゛

この男が本当に家内とセックスしたのだろうか、
こいつが家内をいかせてしまったのか…別人かと思うような丁重なメールでした。

゛いい思いができてよかったじゃないか、
感謝しろよ(笑)。DVDは明日でもいいぞ ゛

私は早く見たくてたまらなかったのですが、
年下の健太君に対して虚勢をはったメールを送ってしまいました。
それよりも、今はとにかく家内の顔が見たい、
無事に家まで帰ってきて欲しい…その一心でした。
3時半に健太君の家を出たのなら、
4時半ぐらいには帰るはずです。私は家内の帰りを今か今かと待ちました。


「ただいま~…」

5時前でしたが、家内が帰ってきたのです。
居間に入ってきた家内は少しやつれた表情をしていました。

「おかえり…ゆっくりできたか?」

家内の顔を見て私はホッとしました。やっぱり帰ってきてくれた、よかった…
いつも通りの薄化粧であるものの、
やつれた表情の家内を見つめながら、私は話しかけました。

「うん、ありがとう。おかげてゆっくりできたわ。
友達といっぱいお喋りできたしね」

家内は椅子に腰掛けながら答えましたが、
私と視線を合わそうとしませんでした。

「どうかしたのか?ちょっと疲れているみたいだな…」

家内がどう返答するか私は試してみました。
家内は一瞬顔が引きつったように見えましたが、
私に背を向けてキッチンで水を飲みながら言いました。

「うーん、さっきまで出会っていた友達がね、
最近ダイエット始めたらしくてね。
それで彼女に刺激されちゃって、一駅手前で降りて歩いて帰ってきたのよ。
でも、だめね、急にそんなことしても…ヘトヘトになっちゃったわ(笑)」

(見え見えのウソだな。健太君の相手をして疲れてしまったとは
口が裂けても言えないだろうな。まあ、いいか…)

「バカだな、お互い40を超えているんだから運動もほどほどにしないと、逆に身体に悪いぞ」

「そうね、さぁーっ、夕飯のしたくするわね」

家内はそう言うと、エプロンを腰に巻いてキッチンに向かいました。
家内を見ていると、良心の呵責とか背徳感というものは
一切ないようにも見えました。ただ、私と視線を合わさないのは、
それなりに何かを感じているのでしょう。

私は居間でテレビをつけて、新聞を見ながら時々振り返って家内の様子を見ました。
家内は何も言わずに黙々と夕食の準備をしていましたが、
時々腰のあたりを押さえたりしているのが確認できました。
健太君とのセックスはかなり激しいものだったのか、
もしかしたら初めて交わったにもかかわらずいろいろ体位を変えたんだろうか…
早くDVDが見たくてたまりませんでした。

当たり障りのない会話に終始した家族揃っての夕食も終わり、
居間でくつろいでいた時に健太君よりメールが来たのです。

゛もう少しでお近くのコンビニに着きます。
上坂さん 出てきていただけませんか?DVDをお渡しします ゛

夜の9時を過ぎていましたが、
意外にも早く健太君がそこまで来ていることに私はビックリしました。
家内に煙草をきらしたからコンビニまで行ってくると言って、
はやる気持ちを押さえながら家を飛び出しました。

コンビニまで行くと、既に健太君が愛車に乗って待っていました。

「すみません、夜遅くに。少しでも早い方がいいかと思って…これです」

私はDVDを受け取りながら言いました。

「いやいや、至れり尽せりだな、ありがとう。それにしても『実況中継』にはまいったよ」

すると、健太君は頭を掻きながらやや申し訳なさそうな表情で言いました。

「すみません、生意気なことしてしまって…」

「まあいいよ、こっちも意外な展開だったから興奮させてもらったよ。
それにしても家内と初めてなのに…何て言うか、少しやり過ぎだな…」

すると健太君はやや真顔で答えました。

「やり過ぎって…時間は確かに長かったですけど、僕は一回しかいってないです」

私は健太君がうそをついていると思いました。

「ホントか?うそだろ…あれだけの時間で一回ってことはないだろ?」

「いえ、本当です。僕 ちょっと遅いんです。遅漏ってやつですかね…」


健太君の言葉に私はどう返答していいのかわからず、しばらく固まってしまいました。
遅漏なのか、健太君は……ということはあれだけの時間、健太君のものは家内の中で…

「そっ、そうなのか、 まあっ、そういう男もいるな…」

自分で何を言っているのかわからないぐらいでした。
動揺しているところを健太君に悟られたくない……私は必死に平静を装いました。

「じゃあ、僕帰ります。明日から仕事ですよね。
長いゴールデンウィークも終わりですからね」

「健太君にとってはいいゴールデンウィークだっただろう?」

すると健太君は満面に笑みを浮かべて言いました。

「ええ、そりゃあもう最高ですよ。
上坂さんが心の広いお方でよかったです。
上坂さん これからもよろしくお願いいたします」

健太君はそう言うと、頭を深く下げ愛車に飛び乗って帰っていきました。
これからもよろしくか…健太君はしばらく家内と付き合うつもりなのか…
健太君の最後の言葉が気になりつつも私は家路を急ぎました。

家に帰ると家内は居間のソファに座ってテレビを見ていました。

「遅かったわね。煙草買うだけだからすぐ帰ってくると思ったのに…」

「ああっ、すまない。ちょっとコンビニで立ち読みしてしまってな」

家内は先ほどとは違って、視線をそらすことなく私の方を見ていました。

「私 先にお風呂入っていいかしら?」

「ああ、いいよ。俺は少し目を通しておきたい資料があるから、先に入ってくれ」

とにかくDVDが見たかった私は、何とかして一人になる機会を窺っていました。
家内が風呂に入っている間に少しでも見れる…

家内が風呂に入るのを見届けて、私は居間でDVDをセットしました。
健太君のDVDを見るのはこれが3回目でしたが、
今まで以上に心臓がバクバクと高鳴っているのがわかりました。
このDVDの中に家内と健太君が愛し合っている映像がある……
私は震えが止まりませんでした。


DVDに出てきた映像は今までと同じで、
家内がマンションの玄関から入ってくるところから映されていました。

「うわぁーっ、ますます散らかっているじゃない?ひどいわね~」

玄関先で靴を脱ぎながら家内は言いました。
しかし、健太君はそれに対して何も答えず、
家内の腕を掴むと強引に自分の方に引き寄せました。
しばらく二人は無言で見つめ合っていましたが、
やがて健太君が唇を押し付けていきました。

健太君の唇が近づいてくると、家内は目を閉じて、
二人の唇が重なり合ったのです。
もうお互いの意思も確認でき、
これから身体の関係を結ぶことも決まっているかのような自然な流れでした。

重なり合った二人の口がもぐもぐと動きはじめました。
お互いの舌がお互いの口の中を行き来して、
お互いの唾液が混ざり合い、待ち焦がれていたかのように飲んでいるような感じです。

しばらく濃厚なキスが続くと、
やがて健太君の右手がやや遠慮がちに家内の胸に移動しました。
とうとう、健太君が家内の胸を触った瞬間でした。

カーディガンの上からでしたが、
健太君の手はゆっくりと家内の胸を掴むように揉みしだいたり、
円を描くように持ち上げたり、指の腹で表面を撫で回していました。
ゆっくりと時間をかけ、家内の胸の感触を楽しんでいるようです。

「ううっん……ううっん……ううっん……」

健太君と舌を絡ませながら胸を揉まれている家内は
もう感じてきているのでしょうか、僅かに喘いでいるようにも見えました。


家内の胸の膨らみをゆっくり堪能すると、
健太君の右手はカーディガンの上から
家内の身体をなぞるように感触を確かめながら下へ移動し、
お腹のあたりまでくるとセーターを捲り上げ、身体の中に侵入していきました。

家内のお臍の周りが白く妖しい光を放っていました。

家内の脇腹から背中に進んだ右手は、何やらモゾモゾと動いているように見えました。
どうやらブラのホックを外そうとしているようです。

やや外すのに手間取っている様子でしたが、何とか外れたのか、
右手は身体の前の方に移動しました。
ついに直に家内の胸を揉みしだき始めたようです。

「ああっっ…ち、ちょっと…………うぐっっっ」

家内は胸を揉まれながらも健太君の強烈なキスから逃れて、
健太君の右手を押さえながら制止しようとしましたが、
再び健太君に口を塞がれてしまいました。

家内とはここ数年セックスレスでしたから、
私自身も家内の胸はしばらく触っていません。
もう、44才ですから張りもなくなり垂れているのでしょうが、
健太君は家内の胸がよほど気に入ったのか、かなりの時間をかけて揉んでいました。

「健太…くん、ちょっと…待って…」

再び強引なキスから何とか逃れた家内が、
健太君を見上げながら哀願するように言いました。
しかし、健太君は何かにとりつかれたように、
無言で家内を見下ろしながら胸を揉みつづけました。

「お願いだから……待って」

「仁美さん、今日は逃がしませんよ。
今から僕だけの女になってもらうんですから…」

健太君はそう言うと再び唇を押しつけました。

家内の背中に回っていた健太君の左手が、
セーターを少しずつたくし上げていったのでしょうか、
家内の身体が少しずつ露になっていました。
やはりやや垂れているのか、家内の下乳が見え始めました。

そして胸を揉みつづけた健太君の右手が突然急降下し、
家内のジーンズの中に侵入したのです。


「ああっ、待って…シャワーを浴びたいの」

ジーンズの中に手を入れられた家内は、身体をよじらせながら言いました。

「お願い…健太君…」

訴えるように家内に言われた健太君は手を止めました。

「そっ、そうですよね…ごめんなさい」

健太君はジーンズから手を抜き取りながら言いました。

「シャワー借りるね」

とりあえず健太君の愛撫から解放された家内は、
捲り上がった服を直しながら浴室へ入っていきました。
すると家内の後姿を見届けた健太君は、
浴室とは反対側の部屋に入っていきました。



画面が一旦切れると、今度は洋間の寝室らしき部屋が現れました。
絨毯が敷き詰められた床は若者らしく散らかっていましたが、
奥に大きなベッドがありました。
ここで家内は健太君のものを受け入れるのか、
家内が結婚以来初めて私以外の男に抱かれるベッドなのか…私は画面を凝視しました。

やがて身体にバスタオルを巻いた家内が一人で入ってきました。
シャワーを浴びたので髪が少し濡れているようです。
胸から太股までタオルですっぽり隠れていましたが、
しっかり巻き付けているためか、胸の谷間が異様に目立ちました。

家内はやや不安そうな表情で部屋の中を見回しながら、
ベッドの端に座りました。両足をきちんと閉じ、
膝の上に両手をおいてうつ向いていました。
刻一刻と迫るその時を待っている感じです。

家内はしばらくじっとしていましたが、
何を思ったのか急に立ち上がり、ビデオが隠してある窓際までくると
カーテンを閉めました。
部屋の中がやや薄暗くなりました。

程なくして、腰にタオルを巻いた健太君が入ってきました。
すでにその気になっているのか、タオルの前が大きく盛り上がっていました。

「あれっ、カーテン閉めたんですか?」

「うん…ちょっと明るすぎるでしょ?」

「そうですか…でもちょっと薄暗いし。少しだけ開けますね」

健太君はそう言うとカーテンを少し開けました。
部屋の中がやや明るくなって画面も見やすくなりました。

健太君は家内のそばに近付くと、ピッタリ寄り沿うようにベッドに座りました。
家内の左側に座った健太君は、右手を家内の肩に回し、
自分の方に引き寄せました。家内の身体が健太君の方に傾き、
頭が健太君の顎の下に入ると、健太君はしばらく家内を抱きしめていました。
いよいよなのか…家内の身体は震えているように見えました。

やがて健太君は家内を抱き上げると、そのままベッドに横たわらせました。
タオルを巻いたまま横になった家内を、立ったまましばらく見下ろしていた健太君は、
何も言わずにタオルに手をかけると、ゆっくり解いていきました。
健太君のされるままになっていた家内は咄嗟に右手で胸を、左手で股間を隠しました。

「仁美さん…手を除けてください」

家内は健太君から視線をそらし壁の方を見ながら小さく言いました。

「……恥ずかしいわ」

「仁美さんのすべてが知りたいし、すべてが見たいんです」

家内はしばらく動こうとしませんでしたが、
やがてゆっくりと左右の手を身体の両側へ持っていったのです。

やや垂れた胸とその上にある黒ずんだ乳首、
そして股間にひっそりと生えている薄い陰毛が健太君の前に晒されました。

「…きれいです…すごく…想像していた以上です」

健太君はやさしく語りかけるように言いました。

「もう…若くないから…」

家内は顔が真っ赤になりました。

「仁美さんの身体を想像して…僕、自分で…してました」

「…うそでしょ…信じられない…」

「本当です」

健太君はそう言うと、腰に巻いていたタオルを取りました。

健太君が腰に巻いていたタオルを取った時でした。
DVDに夢中になっていた私の後ろの方で物音が聞こえたのです。
家内が風呂に入っていたことをすっかり忘れていました。

(これはさすがに見られてはいけない。すべてぶち壊しだ)

どうやら家内が風呂から出て脱衣室に入ったようでした。
私は慌ててDVDの画面からテレビに切り替えました。

「なーんだ、テレビ見ていたの。仕事の準備はいいの?」

家内はパジャマに着替えて居間に入って来ると、
洗髪した髪をタオルで拭きながら私の横に来て言いました。

「うーん、連休ボケだな。どうもその気にならなくて…まあ、明日何とかなるさ」

「長い連休だったものね、明日からまた大変だけど身体に気をつけて頑張ってね」

滅多に聞いたことがない家内の労いの言葉に私はつい反応してしまいました。

「へーっ、どうしたんだ、珍しいな。そんなやさしい言葉、
ここ数年聞いたことがないなぁ。何かいいことでもあったのか?」

言った瞬間ちょっと露骨過ぎたかなと思いましたが、家内はさらりと受け流しました。

「だって、弘毅の塾とかこれからもいろいろとかかるじゃない。
あなたにたくさん稼いでもらわないとね、じゃあ おやすみ」

家内はそう言うと寝室に消えていきました。
まだぎこちない感じが残っていましたが、
そんな中で労いの言葉をかけてくれたのは、
私に対して後ろめたさがあったのでしょうか。
私に対して申しわけないと思うようなことがこのDVDの中にあるのでしょう。



やはりかなり疲れていたのか、
家内の部屋から寝息が聞こえてくるのを確認し、私はDVDの続きを見ました。

タオルを取って全裸になった健太君は
ちょうどビデオに背を向けた位置に立ちました。
家内の目の前に、健太君の充血して膨張したものが晒されているのでしょうが、
死角になって見えません。
家内は視線を壁の方に向けたまま健太君の方を見ないようにしていましたが、
動揺しているのは明らかで、視線が定まっていない様子です。

健太君はベッドの上にあがり、家内の足元のあたりで膝をついて座ると、
家内の身体に自分の身体を合わせるように、
ゆっくりと上からのしかかっていきました。

死角になって見えなかった健太君のものが、動く度にチラチラと見えました。

赤黒くギンギンにそそり立った大砲のような竿、
その先には三角形に大きく膨張した鎌首が家内に狙いを定めて近寄っていきました。

(なんだこれは…デカすぎる……こんなものに何時間も狂わされたのか)

家内の身体と健太君の身体が一つに重なりました。
家内はまだ壁の方を見たままでしたが、
身体がガタガタ震えているようです。
健太君の大砲が家内の股間か太股あたりに直に触れているはずです。
その巨大な大きさを体感して震えているのか、
若い男と全裸で身体を重ね合わせていることに興奮と期待と不安が交錯しているのか…

健太君は家内の顔に手を添えて、自分の方に向けさせました。
震えて健太君の顔を正視できない家内が目を閉じると、
健太君は家内の唇に吸いついて舌を入れました。
再び濃厚なディープキスの始まりです。

キスをしながら健太君の左手が家内の胸にのびていきました。
下から持ち上げて鷲掴みにし、
何度も揉みほぐすと乳首を摘んで引っ張ったり人差し指で弾いたり…
家内の胸を自在に触りました。

「ううっ…ううっんん………」

激しく胸を揉まれた家内は健太君に唇を吸われながら呻き声を上げました。

しばらくの間キスをしながら家内の胸を弄んだ健太君は、
顔を家内の口から離すと、耳たぶを舐め、
首筋にキスをしながらだんだんと下がっていきました。
そして胸の上までくると、健太君は舌を出して
家内の身体を大胆に舐め始めました。

健太君の舌は、家内の右肩を舐めながら腕まで下がっていき、
指先まで辿り着くと家内の指を一本ずつ口に含み始めました。
親指・人差し指・中指……一本ずつ口に含み、味わうように吸った後、
今度は腕の裏側を這い上がっていき、腋の下までくると家内の腕を持ち上げ、
腋の下を全開させました。

「あっっ、ちっ、ちょっと……いやっ」

腋の下の手入れをしていなかったのか、
家内は焦って腋を閉じようとしましたが健太君は許しませんでした。
うっすらと毛が生えている腋の下に健太君は舌を這わせたのです。

「ああっっっ……」

腋の下まで舐められるとは家内は思っていなかったのでしょう。
身体を大きく揺らせて健太君の舌技に抵抗しましたが、
健太君にねじ伏せられるように、腋の下を舐められてしまいました。

やがて健太君の舌は家内の左肩へ移動し、
腕から指先まで辿り着くと左手の指をまたもや一本ずつ口に含みました。
そして左の腋の下も再び健太君の舌の餌食となりました。

家内の腕を制覇すると、健太君の舌は胸のあたりにまできました。
乳首を片方ずつ口に含み、ゆっくり口の中で転がせたり軽く噛んだりしました。
そして、両方の乳首を楽しんだ後、
左右の頬を乳房に擦りつけながら健太君が言ったのです。

「これが仁美さんのオッパイなんですね。ああっ、もう…たまらないです」

健太君は再び乳首を口に含み、両手を使って乳房を大きく揉みしだきました。
すると乳房に吸い付いている健太君の頭に家内がそっと手を添えました。
自分の乳房にむしゃぶりつく子供の頭を撫ぜるように、
やさしく健太君の頭に自分の手を回したのです。
健太君に母性本能を呼び起こされたのか、
こんなに自分の身体を愛してもらったのは初めてだったのでしょう。

そして健太君の舌が再び下りていきました。
臍のあたりにくると、健太君は舌を尖らせて臍の中に舌を差し込みました。

「ああっっ…」

家内は健太君の頭を持ったまま、上を向いて喘ぎました。

いよいよ…この後は女性の一番恥ずかしいところ、
健太君の舌がその秘部に近づいていきました。

しかし、健太君の舌は焦らすかのように秘部を避けて、
太股を下りていったのです。家内の身体に自分の唾を塗りつけながら、
健太君の舌は太股から足先へと移っていきました。

そして、足の先まで辿り着くと、手と同じように足指を一本ずつ口に含み始めたのです。

「ああっっ、健太君…汚いわ」

家内は膝を折り曲げて健太君から逃れようとしましたが、
両手で足を抱えられてどうにもなりません。
健太君は足指をすべて口に含んだ後、足の裏に舌を這わせました。

(なんという前戯だ……健太君は仁美の全身を舐めるつもりなのか……)

左右の足指を一本ずつ口に含み足の裏まで丁寧に舐めると、
健太君は足の内側をキスしたり舐めたりしながらだんだんと
股間に向かって上がっていきました。
ふくらはぎからゆっくりと太股へ…
健太君の顔が上がっていくにつれて、
閉じられていた家内の股がじわじわとこじ開けられていきました。
太股の真中あたりまでくると、健太君は家内の両膝を掴んで左右に広げました。

「あっっっ……」

健太君の目の前に家内の性器が露となった瞬間でした。
広げられた股の中央にある薄い陰毛は性器を隠すことができず、
黒ずんだ割れ目がはっきりと見えました。

家内は慌ててバスタオルを掴むと、
恥ずかしさからか顔が見られないように首から上を覆ってしまいました。

健太君が今自分の性器を見ている……
もう若くない、子供を産み、
黒ずんで周りがビラビラになってしまっている性器を見られることに
恥ずかしくて耐えられないのか…


やがて、健太君の顔は家内の股間に吸いこまれるように近付き……
ついに家内の割れ目と健太君の口が触れ合いました。
その瞬間家内の身体は電流を流されたかのようにビクッと動きました。

健太君は舌を出して割れ目に沿ってゆっくりと上下させました。

「ぅぅっ……」

タオルで覆われているため声がよく聞こえませんでしたが、
家内は健太君の舌の動きに微かに反応していました。

家内の性器をじっくりと味わうように舐めまわすと、
健太君の舌の動きはだんだんと激しさを増していきました。
一旦家内の性器から口を離すと、
再び両膝を掴んで180度ぐらいに思い切り広げて、
自分の顔を家内の股間にぶつけるように迫っていきました。

「ぁぁぁっっっ………」

健太君は家内の性器にむしゃぶりつき、顔を擦りつけました。
家内の性器から滴る分泌液を自分の顔に塗りたくるように…

「ぅぅぅぁぁぁ……」

(………すごい……これは)

私は画面に釘付けになりました。

家内は顔をタオルで覆い隠しているものの、
健太君の執拗な攻撃に感じているのは明らかでした。
身体がガクンガクンと揺れ、
身体を大きくよじりながらもう耐えられなくなったのか、
股間に吸い付いている健太君の頭を押して離そうとしましたが、
まったく無駄な抵抗でした。

そしてとうとう健太君のクンニにいかされてしまったのか、
しばらくすると家内の身体が痙攣したようになると、ピタッと動かなくなりました。

家内が動かなくなったのを見ると、健太君は顔を離して起き上がり、
肩で大きく息をする家内の左横に添い寝をするように横たわりました。

死角になって見えにくかった健太君のものが今度ははっきり見えました。
家内の性器を思う存分弄び、
鋼鉄のようにガチガチに硬くなっているのが画面からもわかりました。


健太君は家内の顔を覆っているタオルをゆっくり取りました。
すでにクンニだけでいかされてしまった家内は
顔を見られたくないのか横を向きましたが、
健太君は左手で家内の右手を掴むと自分の股間へ導き、
家内の手首ぐらいある赤黒い肉の棒を握らせたのです。


ギンギンにいきり立った健太君のものを握らされた家内は、
慌てて手を引っ込めようとしましたが健太君は手を離しませんでした。
それどころか、家内の手を自分の肉棒に押し当てると、
上から手を握り締めたのです。
家内は健太君の逞しいものを直に握らされる格好になりました。

何度か手を引っ込めようとしていた家内もとうとう観念したのか抵抗しなくなり、
健太君のものを握り締めたままになりました。
すると、健太君は右手を家内の頭の下に入れて、
そむけていた顔を自分の方に向かせ、家内の唇に吸いつきました。

家内に自分の逞しい肉棒を握らせたまま、再び濃厚なキスが始まりました。
キスをしながら健太君がゆっくりと左手を離し、
家内の胸を鷲掴みにしましたが、家内の右手はそのまま健太君のものを握り締めたままでした。
家内が自分の意思で健太君のものを握っている…
私のものとは比べものにならない若々しいものを家内は自分から握り締めながら、
いつのまにか健太君の唇を貪るように吸いついていました。

やがて健太君は起き上がり、
家内の足元にまで移動すると下を向いて何やらモゾモゾとし始めました。
どうやらコンドームを付けているようでした。
いよいよその時が………家内が健太君のものに貫かれる瞬間が来てしまいました。

私自身が期待していた瞬間ではありましたが複雑でした。
家内はこのままどうなってしまうのか…

コンドームを付け終えた健太君は、家内の両足を掴むとゆっくりと広げていき、
股の間を奥へ進んでいきました。
家内の膝を掴んでM字の状態に押し広げると、
右手を添えながら…家内の身体に被さっていったのです。

「ぐぐっっっ……うぐぐぐっっっ」

家内は声を出さないように、目を閉じて眉間に皺を寄せながら耐えていました。
健太君は家内を見下ろしながら、ゆっくりゆっくり腰を押し進めていきました。

「ぐわぁぁ………」

健太君のものがどのくらい入ったのか、目を閉じていた家内がパッと目を見開きました。
目の前には健太君の顔がすぐそばまで迫っていました。
家内は咄嗟に両手で顔を覆いました。

10歳以上も年下の男性のものを受け入れて乱れてしまいそうなところを見られたくないのか……

「ぐぅぅあああぁぁぁ……」

健太君の腰が少しずつ前へ進むに連れて、
家内の悲鳴のような声がだんだんと大きくなっていきました。

「ぐぅぅあああぁぁぁ……あああああ……け…け…け…んた……く…ん」

家内は必死に耐えながら健太君の名前を呼んでいるように見えましたが、
途切れ途切れで言葉になっていませんでした。
健太君は家内の悲鳴のような喘ぎ声を無視するかのように、
じわじわと家内の股間に腰を沈めていったのです。

やがて家内の膣の奥底に到達したのか、前へ前へ進んでいた健太君の腰が止まりました。

「あああぁぁぁぁ……そ……そ……そ…こぉぉぉぉ」

顔を覆い隠していた手を大きく揺すりながら、
家内は喘ぎました。感じているのか、痛がっているのか……
いずれにしても、家内が今まで経験したことのない大きく太いものが、
今 家内の膣に突き刺さっているのです。

やがて健太君はゆっくりと腰を前後に振り始めました。

「うぎゃゃゃあああ……ぐぐぐぇぇぇぇ……」

家内はもうなりふり構っていられないという感じです。
今まで感じたことのない激痛が身体中を駆け巡り、
家内を半狂乱状態にしてしまおうとしているようでした。

ゆっくりとピストン運動を繰り返す健太君は、
ほとんど自分を見失っている家内とはまったく逆でした。
とうとう自分の餌食になった家内を余裕の表情で見下ろしながら
腰をゆっくりと振っていたのです。
決して激しくはないものの、
休むことなくゆっくりと腰を振る健太君、
家内がいかされてしまうのは時間の問題でした。

「……も…もう……いっ……いっ…くぅぅ…」

私は初めて家内が『いく』という言葉を発したことに驚いて興奮しました。
私とのセックスで家内がいくことはもちろんありましたが、
『いく』というのは照れもあったのか、今まで聞いたことがありません。

昼間の『携帯実況中継』でも確かに家内の声で『いく』という声は聞こえてきましたが、
今 実際目の前の映像で家内が自分の口から『いく』と言っているのを確かに見てしまいました。
それほどまでに家内は自分を見失ってしまっているのか……

顔を覆っていた両手はいつのまにか健太君の両肩に移りました。
もう恥じも何もないのでしょう。健太君の両肩を掴みながら家内は喘ぎつづけました。

「…いっ…いっっ…くぅぅぅぅ……」

家内は健太君の肩を掴みながらいってしまったようでした。
肩を持つ手がぶるぶると震え、
健太君によって開かれた両足が一瞬ピンッと伸びました。

「ぐぐぅぅぅあああぁぁ……」

悲鳴とともに家内の全身の力が抜け、
肩を掴んでいた手は骨が抜き取られたかのように
健太君の肩から腕を滑るように落ちていきました。
クンニでいかされ、休む間もなく健太君の巨根でいかされてしまった家内の身体は
すでに体力の限界を超えているように見えました。

私とのセックスであれば、せいぜい前戯10分、挿入5分程度でしょうか、
しかもここ数年家内とは交わっていません。

久しぶりのセックス、しかも相手が体力のある若い男なら無理もないことでしょう。
今からさらに家内の経験したことのない
セックス三昧の世界に連れて行かれてしまうのでしょうか。

家内がいってしまった後も、健太君のゆっくりとしたピストンは続きました。
体力を消耗し、すでに限界を超えているはずの家内でしたが、
健太君の巨根から繰り出される大波に再び身体が反応し始めました。

「…あっ…あっ…」

肩で大きく息をしていた家内は、何度も健太君に子宮を突かれているのか、
再び喘ぎはじめました。

「……ああっっ……ああっっ………いっちゃう……」

健太君は相変わらず余裕がありました。呼吸の乱れもなく、
ゆっくりと腰を振り家内の乱れる姿を見ながら、
時々軽くキスをしたり、乳首を摘んで捻ってみたり……
射精するような雰囲気はまるでありません。

「……いくわっ…いくわっ…また……いっちゃう………    
けっ…けん…た……くん……もうっっ………ああっっ………」

(ん?…これは、もしや…)

どこかで聞いたことのあるような家内の喘ぎ声でした。
しばらくわからなかったのですが思い出しました、
あの時です。健太君が最初に私に電話をしてきた時に、
シーツの擦れる音に紛れて聞こえてきた家内の喘ぎ声でした。
よく見ると健太君は腰を振りながら、右手で枕元のあたりで何か触っています。

(この時だったのか……)

健太君は家内を巨根の餌食にしながら、
携帯を操作しているのでした。健太君が電話をしてきた時、
この時すでに家内は2回いかされ、そしてまたもやいかされようとしている時だったのです。

「………もうっっ………わたし………ああっっ、ああっっ……」

家内は頭を左右に大きく振りながら、
再び健太君の肩を掴んで巨根の洗礼を受けつづけていました。

「……ああっっ……いくっ、いっっっっくぅぅぅぅぅ………」

家内は大きく仰け反り、3回めの昇天を迎えました。

(…もう…やめてくれ…)

目の前のことがすでに過去のこととはいえ、私は祈るような気持ちでした。
健太君と家内のセックスは見せつけられるぐらいに充分見ました。
家内には言えない私の密かな願望も満たされました。
だからもうやめてほしい、もうこれ以上仁美を狂わせないでくれ、
もういいじゃないか、
仁美の身体を好きなだけ楽しんだのだから解放してやってくれ、たのむ……
しかし、私の願いも空しく、二人のセックスシーンは
その後も続いてしまいました。



テープを入れ替えたのか画面が一旦途切れましたが、
再び映し出された画面には扇のように股を大きく広げて、
健太君の巨根を受け入れている家内が現れました。
健太君の腰の振りは少しずつ激しさを増していきました。
ごく普通の正常位で腰を振るだけだったのが、
家内の足を掴んで逆八の字に大きく広げたり、
片足を担いで巨根を捻じ込むように腰を左右に振ったり……

「…だめっ……だめ……よっ……またっ………いっ……ちゃうぅぅぅぅぅ……」

家内はもう意識がなくなってしまっているのか、
今自分が何をしているのかどういう状態なのか多分わからないのでしょう。
健太君の腰の動きに合わせて悲鳴を上げたり、
何を言っているのかわからないこともありました。

部屋の中には家内と健太君の肌が擦れ合う鈍い音に混じって、
ヌチュヌチュという卑猥な音が響きました。

健太君の巨根を受け入れるために、
家内の膣から愛液がどんどん溢れ出ているのでしょうか。
これほどまでに長い時間、挿入したままで腰を振り続けたら、
コンドームが破れてしまうのでは…一体いつまで続くんだ、
私は恐ろしささえ感じました。

「……もうっっ……いってぇぇぇぇぇ……おねぇぇぇぇがいぃぃぃ……」

またもや健太君が枕元で何やらモゾモゾとしはじめました。
これは私がいてもたってもいられなくなって
携帯で電話したときだったと思います。『携帯実況中継』の2回目でした。
右手で携帯を操作し、左手で家内の胸を鷲掴みにする健太君は
私の知っている健太君ではなくまったくの別人、
数々の女を自分のものにしてきた好色男のようでした。

二人が全裸で抱き合い、動物的に交じり合う姿を見て、
私は次第に空しくなりました。私が一人で家にいる時に、
家内は健太君の巨根の餌食になり何度もいかされて、
私の妻であり弘毅の母親であることなど完全に忘れてしまっていたのでしょう。

もしかしたら、このまま健太君の女になってもいいと思ったのかもしれません。

目の前の画面で若い男とセックスしている家内……
これは本当に上坂仁美なのか…結婚してから
私しか知らないはずの仁美なのか…


そして、いよいよ…家内と健太君の濃厚なセックスシーンは
クライマックスを迎えました。

もうどれぐらいの時間が経ったのかわかりませんが、
家内は完全に健太君に翻弄されていました。
目の前の画面の中にいる家内は汗だくになり、
健太君の性欲処理女のようになつていました。
途中で一旦途切れましたが、1時間以上は挿入されたままなのでしょう。

さすがの健太君もいよいよ射精の時がきたのでしょうか、
腰の動きがだんだんと激しくなりはじめました。
家内の右足を自分の肩の上に置き、
股が裂けてしまうのではないかと思えるぐらいに大股開きにさせ、
腰を今までになく大きく振り始めました。

「ぐぅぅぅああああぁぁぁ…………」

何度もいかされて放心状態だった家内でしたが、
部屋中に響きわたるぐらいの悲鳴を上げました。
ゆっくりとしたピストン運動だったのが、
エンジンがかかったように高速回転になりました。

「けっ…けっ…けん……た……くん……もうっっっ……どうにか…してぇぇぇ」

家内は悲鳴を上げながら震える手を健太君の方に伸ばしましたが、
健太君は手を払いのけて腰を振りながら家内に覆い被さり唇を合わせていきました。
すると家内は健太君の口を貪るように吸い始めました。
健太君もそれに応えて家内の唇に唾液を垂らすと
家内は舌を大きく出して舐めまわしはじめたのです。

今まで腰を振るばかりで何も言わなかった健太君でしたが、
自分の唾液を貪る家内を見つめながら囁き始めました。

「仁美さん……僕の女になりませんか…いいでしょ」

一瞬私は耳を疑い、怒りが込み上げてきました。
何てことを言うんだ!この若造め、
人の妻を自分の女にするだと……
しかし、家内は健太君の唾液を夢中で飲みながら、
私の気持ちを嘲笑うかのようなことを言ってしまったのです。

「なるぅぅぅ………なるわぁぁぁ………なるから……」

家内は眉間に皺を寄せて、
健太君の強烈な突きに耐えながら言ってしまったのです。

「本当ですか!……いつもこんなこと、するんですよ。」

「なるからぁぁぁぁ……いってぇぇぇぇ……おね…がいぃぃぃぃぃ…」



家内は夢中で叫びながら、健太君の首に両手を回しました。
健太君は勝ち誇ったような表情になり、
まるで餌を与えるかのように何度も家内の顔に向かって唾液を垂らすと、
唇を使って家内の顔に塗りたくるようにしました。

そして、またしても耳を塞ぎたくなるようなことを家内は口走ってしまったのです

「すっ…すき……すきよ…健太君……いってぇぇぇぇ……おねがいぃぃぃぃ……」

「仁美さん!仁美さんは……僕の女だ!」

健太君は叫びながらとどめを刺すかのように強烈に家内を突き上げました。

「いっっっくぅぅぅぅぅ…………」

家内は悲鳴を上げて痙攣すると、やがて大の字になってのびてしまいました。



このあとどうなったのかわかりません。
しかし、DVDは消えてしまいました。

私は時間を忘れてDVDに見入ってしまってました。
見終わったときは深夜の2時を過ぎていたと思います。
途中で途切れたような感じで大いに不満が残りましたが、
明日から仕事ですのでもう寝ようと思ったものの、なかなか寝られませんでした。
健太君に突かれて喘いだり、唾を舐めまわしたり、
そして健太君の女になるとまで言っていた家内……
DVDで見た場面が次々と頭に浮かんできて、
とても眠れる状態ではありませんでした。結局その夜は一睡もできなかったのです。

ゴールデンウィークも終わり、再び普段の日常生活が始まりました。
私は会社、家内はパート、息子は学校…どこにでもある平凡な一家庭の生活です。
家内とセックスすることを容認したとはいえ、
私は健太君に対して問いただしておきたいことがありました。
『僕の女になりませんか』…その真意を確かめておきたかったのです。
しかし、いざとなると問いただす勇気がありませんでした。
もし、健太君に
『仁美さんは僕の女になりましたから…』
みたいなことを改めて言われたら、
自分は何と切り替えしたらいいのか、
その上に家内からも同じことを言われたら…私の立場はありません。
そのことを考えると健太君に連絡をとることを躊躇してしまったのです。

2日、3日と日が経過していきました。
家内は普段と何も変わりはなく、健太君からは何も連絡はありませんでした。
そして、ゴールデンウィーク後の最初の土曜の夜でしたが、
健太君から長文のメールが来たのです。

゛上坂さん その後いかがお過ごしでしょうか。
DVDはすでにご覧になられたかと思います。
敢えて感想はお聞きしておりませんが、
もしかしたら、上坂さん お怒りでないかなと思い、
メールをさせていただきました。
仁美さんの顔に唾をつけたり、僕の女になれ 
みたいなことを言ってしまって、さぞかしビックリされたのではと思います。
ただ、僕としては、本気で仁美さんを僕の女にしようなんか思っていませんし、
仁美さんもそんな気は絶対ないと思います。
あれは性行為の中で、つい出てしまったうわ言のようなものだと思っています。

仁美さんには翌日『ありがとうございました』
とメールをしておきましたが、『こちらこそ』 って返事が返ってきただけです。
もちろん、仁美さんのことは今でも大好きですが、
いつまでもこんなことをしていてはいけないと思ってますし、
自分の親父を見てきていますから、
人の道に反するようなことはしないようにと思っています。
仁美さんとのことは良き思い出として、
これからは改めて私の大事な顧客として、
上坂さんと仁美さんとはお付き合いをしたいと思ってますし、
仁美さんと陰で連絡を取り合ったり、お会いしたりすることは絶対ありません。
そのことは硬くお誓いいたします。
今後とも神崎健太ならびに我が社をよろしくお願いいたします ゛

俄かには信じがたいようなメールでした。
あそこまで濃厚なセックスをしておいて、
今後個人的には一切連絡をとらなかったり、会わないことなどできるのか。
それに、いかに健太君がそうであっても、
家内がどう思っているのか…
家内の方から健太君を誘うようなことがあれば、
それを言い訳にして逢引するのではないか…
私はしばらく様子を見てみることにしました。
もしこっそり会ったりしていたら、絶対許さないと思いながら…

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